

人と人、人とまわりのさまざまなものとの関係をつくることからデザインは生まれ、それらが場面や場所となってつながり、建築となり、まちとなる。さらに積み重ねられて歴史となって現れ、文化として伝えられるのだ。 COMMUNITY-THINKTANKとはそうした人やそのさまざまなつながりを考え、見えてくる、市民の、地域の共有の場ととらえている。 「まちづくりは現場で起きている。」そうした認識のもとに、建築、まち、大学、歴史、文化のことなど、気軽に語り、書き記してゆきたい。 島崎義治//YoshiharuShimazaki/
特定非営利活動法人、NPO法人とは市民活動に一定の枠組みを与えた貴重な組織形態です。それは市民自らの手によって生まれた活動団体であることを意味し、その活動が独立し、また自由であることを保証するものです。
しかし、なかには、行政が立ち上げ、あるいは密接にかかわり、支援するNPO組織も少なからず存在しています。本来、行政と市民の中間に立場をおき、市民をサポートすべき中間支援組織と呼ばれる組織に、行政サイドに立ち、なかば出先機関のようにふるまっているNPOがあります。それらはたいていは弱者である市民側には立たず、行政の意向に従い、市民の動向をある方向へ誘導しようとします。
今、社会ではそれらを官製NPO、GONPOガンポと呼び、一般のNPOとは区別する動きが始まっています。行政からの委託費用で運営が賄われ、行政から自立し、対等な関係にあるなどとはとても言えない、行政の出先機関のように、市民を囲い、誘導する組織です。市民はよく目を開き、偽善を見抜かなければなりません。
市民の声が行政に届かないで滞り、また行政からの情報が正確に市民に浸透せず、それらは、むしろ市民と行政が真に協働するための阻害要因とも言えるのです。真のまちづくりへの第一歩はその阻害要因を除去することのように感じられます。
このGONPOによる行政の市民管理は今後、各地に蔓延するかもしれません。行政にとって、開きたくない部分を開いているかのように見せる都合のよい組織だからです。