2010年4月12日

龍馬伝

NHK大河「龍馬伝」の調子がいいようです。

歴史家の同僚に言わせると「点と点を自由につなぐことのできるドラマはうらやましい」とのこと、いろいろと疑問点はあるようです。しかし、国家や時代の要請で押しつけられる歴史像よりもずっと心地よい気がします。

ところでこの「龍馬伝」、僕はもっと別の視点から楽しんでいます。実は何度も何度も繰り返して見ています。飽きないのです。

それはカメラアングル。一連のカットを多くのカメラが取り囲み、連続的に、また時には不連続に、迫っていって何かを伝えようと試みられています。それは与えられたアングルというよりも複数のカメラマンがそれぞれ独自に迫り、複数の独立した目でドラマを多角的に解析しているようで、まるでピカソのキュビズムのようでめまぐるしくドラマが進行してゆきます。役者の向こうにあるはずのカメラが見えるようで見えない、ギリギリのところでカットされているかのようです。

そのHPには次のように説明されています。
「「龍馬伝」のチーフ演出を担当するのは大友啓史。・・・徹底的にリアルで濃密な人物描写―。そして奥行きや広がりを感じさせる美しい映像―。あらかじめカット割りすることなく、複数台のカメラを様々な角度から回し、自在の編集で組み上げていくという手法で、その世界観を描き出していきます。」

統制のとれた静かなドラマよりもこのような動きのあるバラバラなアニメのようなドラマチックな映像にひかれてしまいます。それは個や部分が作る豊かな創造行為、「集団による創造性の開発」につながるのではないかと感じられます。

2010年4月11日

大阪都

「大阪府の橋下徹知事をトップに4月に旗揚げする地域政党「大阪維新の会」が訴えの柱とする「大阪都構想」案が24日、判明した。

 全府域を「大阪都」とし、大阪市と堺市を分割して周辺9市とともに計20の「都区」(仮称)に再編。東京都と23特別区のように、各市の広域行政機能を新都に集約し、各都区には公選制の区長と区議会を置くとしている。5年以内の実現を目指す。」(2010年3月25日 読売新聞)

橋下知事には少なからず期待していました。しかし、東京への傾倒は大阪のアイデンティティを見失ってしまうことでしょう。これまで何度も繰り返してきた愚行です。山手線にならった放射状の拡大化、水の都を台無しにした湾岸副都心開発、成田のような遠隔地空港、、、、など大阪の地盤沈下の原因の一つかもしれません。

府と市の一元化は必要かもしれません。しかし、もっとリベラルなやり方で、東京とは異なる新たな都市モデルを見出すべきです。それはマンハッタンのような高度に周密化し、それらがもたらす利便性や効率性、そして自由性から生み出されるものなのではないでしょうか。

かつての北、東、南、西の4区とそれらを縦につなぐ、南北の都市軸のなかにすべてを詰め込んでゆく、大きな特別区1区を、自立性と領域性を持った都市国家のように、また自由と集中とを特権とした香港のように、あるいは特別の機能のみに特化されたワシントンのように、、、、、、、新たな発想を持ったビジョンの構築が求められています。

2010年4月3日

コミュニティシンクタンク再起動

ながらく、更新をサボってきました。この5ヶ月間、新たな方向を模索し、自らギャザリングを試行してきましたが、新たな仲間に恵まれ、「Community-Thinktank」をスタートさせることが出来ました。コミュニティシンクタンクmocoをさらに進化させ、政治にも経済にも、そして古い慣習にもひるまない共同体として突き進んでゆきます。
詳しくは→http://community-thinktank.org  まだトップページだけですが、これから活動を報告してゆきます。

また、設計では大学キャンパス設計の機会を与えられ、研究では内井昭蔵論構築のための準備を行ってきました。いづれも「集団による創造的行為の開発」を進めるための貴重な実践となります。

「Community-Thinktank」の新たなテーマはDirectionです。