人と人、人とまわりのさまざまなものとの関係をつくることからデザインは生まれ、それらが場面や場所となってつながり、建築となり、まちとなる。さらに積み重ねられて歴史となって現れ、文化として伝えられるのだ。 COMMUNITY-THINKTANKとはそうした人やそのさまざまなつながりを考え、見えてくる、市民の、地域の共有の場ととらえている。 「まちづくりは現場で起きている。」そうした認識のもとに、建築、まち、大学、歴史、文化のことなど、気軽に語り、書き記してゆきたい。 島崎義治//YoshiharuShimazaki/
2008年5月25日
組織による創造力
創造力とは魅力的に聞こえる言葉です。その言葉によって、自分がかかわる業務が魅力的であると思えてしまったり、魅力的な成果を生み出すのだと、勘違いし、企画書や提案書のいたるところにその言葉をばら撒きがちです。
しかし、創造力とは、個人の能力であるように考えられてきましたが、今組織にこそ、創造力が求められているようです。
組織の創造力を高めるためこと、つまりコーポレート・クリエイティビティとは特定のクリエイティビティを持っていると予測できる人材にだけを期待するのではなく、誰にでも持っている資質としてそれを受け入れる可能性が必要であると言われています。それは一部の特別な業務にだけ現れるのではなく、日常の定型業務にも、標準化された業務にも現れる、、、、。だから、クリエイティビティ、創造力ある行為は固定観念を持って、その機会を狭めることがあってはならないと、「企業創造力」には書かれています。
ここには、クリエイティビティを生みだす(というよりそれを阻害しない、というほうが適切かもしれません)6つの条件が記されています。
1.意識のベクトルを合わせること
2.自発的な行動を促すこと
3.非公式な活動を認めること
4.意外な発見(セレンディピティという造語で表現されています)を誘発すること
5.多様な刺激を生みだすこと(拡散的思考)
6.社内コミュニケーションを活性化すること
特に日本企業においては多様な刺激を生みだす、拡散的思考という視点に取り組むべきとも書かれています。
「拡散的思考」により生みだされるもの、それは「いくつもの答えを導きだす力」を持った組織ではないでしょうか。それはこれまで、ブレインストーミング、ワークショップ、、、、、など、様々な手法によって試行され、どこにもない答えが求められてきました。果たして、それらはどこまで多様性を持ち続けることができたでしょうか
これからは、いくつもの答えを共存させ、絶えず新たな答えを生みだし続けることが必要で、そのような包容力と多様性を持った組織こそが、創造性を持った次なる可能性を見出すことができるように感じています。
そして、それは一人の英雄でも天才でもなく、個人の集合から始まる「いくつもの答えを導きだす力」を持った組織こそが生みだすことができるのではないかと考えています。
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