「琵琶湖・沖島の滋賀県近江八幡市立沖島小学校に新学期から、開校以来初めて、6年生1人が同市内から転校し、船で通学を始める。同市教委が、児童数が激減した同小に、新年度から通学区域を緩和して転校を認めることにした。船通学の転入生により、8日に始業する同小は、久しぶりに児童数が2ケタを回復した。」(asahicom)
古い環濠の残る豊かな町である滋賀県近江八幡市は宣教師であり建築家であったヴォーリズによる近代建築もまた数多く残されています。また、周辺の豊郷町には近年その保存が期待され大きく取り上げられたヴォーリズ設計の小学校が残されています。
沖島小学校は写真に現れているように木造のすばらしい、堂々とした建築です。松本市の開智学校のような先進的な雰囲気も感じられます。沖島は琵琶湖に浮かぶ小さな島のようですが、こんなところにも当時の教育に対するまちの意欲や先進性が窺われます。
近江地域は古い街並みが残り、また図書館行政もとても豊かで先進的な地域です。ヴォーリズのようなすばらしい宣教師のもたらした新しい文化を受け入れ、またその次に現れる新たな価値に目を開く力を持っていたのではないかと感じられます。社会や地域が豊かであるためには価値を共存させる力、絶えず新たな価値を掘り起こしながら古いものと新たなものを共存させる、想像力と先見性が不可欠です。
先進性とはすべてを解体して、新たな開発することではないのですね。
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