2008年8月3日

地域と図書館

滋賀県愛荘町愛知川図書館長渡部幹雄さんもまた地域図書館を推進する有数の図書館長です。

彼は地域と図書館の関係を、中学校区ごとに展開する図書館、これをコミュニティ図書館、生活図書館と位置づけ、それらを支援する県立図書館など中央のシステムを構築し、全国に行き渡る図書館網がはりめぐらされることを提言しています。

彼の考える地域とは中学校校区程度の広さのコミュニティであり、このコミュニティがが全国に展開してゆくことが重要であると考えています。
ちょうど、彼の愛知川図書館が人口11500人の全国平均の中学校区の規模となるようです。

全国の図書館総数が2740館、公立小学校が23160校、公立中学校が10317校、公立高校が4093校、郵便局が24715軒、と比較しています。ちょうどその領域、広がりが目に見えてきます。ちなみにコンビニが40843店あります。滋賀県内では98の中学校区があり、43の図書館が配備され、50の自治体の中で27の自治体に中学校区ごとに図書館があるようです。
数の上からも、中学校という具体的な生活の領域の中で考えることでも、この地域の図書館の姿の、地域の中での重要な役割が見えてくるようです。
そこには、地域の信頼を勝ち取る専門職能を持った職員の養成や地域を訪れる住民の姿も見えてきます。距離を密にするだけで、考え方が変わってきます。

その評価は図書の貸出密度だけにとらわれることなく、地域住民の生活を支える役割を果たしているかが重要となる。地域資料を住民から募り、常備し、生涯教育の場として活動の場所を開放し、地域の素材を活用するプロデューサーとなる、、、それが渡部館長の考える地域図書館です。

愛知川図書館は、面積3000㎡、10万冊の蔵書を持ち、地域の伝承工芸品の展示施設、びん手まりの館が併設されています。

中央に大きな開架書架の空間、そして、隅々に読書のためのポケット的な空間が配置され、居心地のよい空間を作っています。

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