2008年8月8日

市議会の代表質問から

地域のリーダー足るべき市議会議員のとるべき活動が地域の活性化に不可欠です。

市議会の記録が公開されていますが、市民病院に対する、その質問の内容からは、深い内容をうかがい知ることはできません。「お伺いします」、「お尋ねします」、「お聞きします」が延々と続きますが、議員自ら分析や提言する必要はないでしょうか。

今、岡崎市の市民病院は負債が定常化しています。詳しい内訳はわかりませんが、
        
平成17年度の収 入、15,472,880,492 、支 出 、16,500,874,041 、△ 1,027,993,549 、平成18年度の収入 15,822,965,469に対し、支出、16,841,084,314、△ 1,018,118,845、平成19年度 は収入、15,806,423,897に対し、支出、16,968,576,840 、△ 1,162,152,943 となっているようです。収支率がおおそよ93%です。(全国の病院の収支の動向についてはhttp://www.ajha.or.jp/topnews/backnumber/2004/04_12_01_1.html に紹介されています。)

また、数値に現れていること以外にも、福祉の充実した近隣都市の市民病院へ患者が流れ、また、有能な医師も離れているという見方が市民のなかで噂されています。市民自ら、地元の医療施設(市民病院ではありません)と近隣の優秀な病院との連携の重要性もすでに自覚しているのです。

かつて、地域の中心にあった市民病院を市域北部の丘の上に配置した時点で市民という視点を排除してしまったのではないでしょうか。

以下に掲載する代表質問とそれに対する事務局長の回答をよくよく読んでみると、地域の医師会の方がよほど深く深く考えていることもわかります。医療もネットワークなのですね。

平成20年3月岡崎市議会会議録第2号から

◆45番 皆さん、おはようございます。・・・・議長のお許しを得ましたので、代表質問をさせていただきます。・・・・ 私どもの会派の要望に対し御理解をいただき、丁寧な対応をしていただきました点につきまして、まずもって感謝申し上げます。
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 4、保健・医療・福祉の充実について。
 (2)市民病院の適正規模。 本市の市民病院は、西三河南部医療圏の第3次病院としての機能を果たすとともに、病床数650床、そしてその利用率は97%以上で推移しています。十分な医療活動を続けていると思います。 本市の人口推移を見ますと、昭和35年より増加の一途であります。また、工業団地等設置により昼間人口も増加しています。そして、近隣市町の人口も同じように増加しております。本市の人口増加は平成37年まで続くと推測されております。このような状況で、現在の岡崎市民病院一つでよいのか、行政の見解を聞かせてください。 市民の中には、南部地域に総合病院が必要だとの声も聞かれております。何らかの対応、計画を立てるときが来ているのではないかと思いますが、御意見をお聞かせください。

 ◎病院事務局長 私からは、4の(2)の市民病院の適正規模ということでお答えをさせていただきます。 市民病院は、地域医療の中核的機能を果たします基幹病院として、緊急もしくは重度の患者さんを中心に、高度で専門的な医療を24時間体制で行う急性期の医療を担っておるところでございまして、現在23診療科、650床で、病床利用率では御指摘にありましたとおり97%を超える状況で運営をしているところでございます。 この規模は、37万都市である岡崎市立の自治体病院といたしましては、自治体病院を持たない市町村もあるわけですが、他市町村との比較においても一定以上の規模、レベルにはあるというふうに考えております。 そして、自治体病院の新増設に関しましては、国の状況から申しますと、国にあっては自治体病院の経営形態のあり方の検討を求めておりまして、統廃合等を促すことも含めた政策が進められておる状況下でございます。つまり、自治体の病院経営そのものの是非が問われる社会状況になっておるというふうに理解をしております。 また一方、現実に目を向けますと、勤務医不足から、病院、病棟の閉鎖が話題となっておりまして、さらに最近では看護師不足から病棟閉鎖を検討する病院も出ておりまして、実際にここ二、三日の間でも、具体的に看護師不足から100床単位の病棟閉鎖という発表もされておるところでございます。 こうした状況と考え合わせまして、当院も現状の規模、機能を維持すること自体が大きな課題となっている状況でございます。こうした状況下では、現在のところ市民病院としては大きな規模拡大は当面困難ではないかというふうに考えているところでございます。 当院としては病診連携、病病連携、つまり病院と診療所、開業医さんとの連携、そして病院と病院との連携、これを強化いたしまして、地域の医療資源を最大限に活用することに努力を傾注してまいりたいと考えております。 しかしながら、本地域においてベッド数等が充足されているかというような質問趣旨に対しましては、当院が急性期を過ぎた患者さんの転院先に苦慮していますように、必ずしも充足されていないと考えております。 また、医師会さんからも、今後は療養病床等の不足が大きな社会問題に発展するのではないかと、こういった問題提起もあったところでございます。この問題は、経営主体の問題、つまり公がするのか、民がするのかといったことを初め、基本的な多くの課題が検討、整理される必要がありまして、この検討には岡崎市全体、さらに西三河南部医療圏、こうした広い範囲ですべての医療機関と行政が参加するような形で検討を進める必要があり、最終的には国の理解も必要になってくるものと考えます。 昨年、医師会保健所が中心となりまして、地域医療全体の検討の場も設けられたところでもあります。当院としても、地域の基幹病院として、これに積極的に参加、協力をしてまいりたいと思いますので、御理解を賜りたいと存じます。

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