日本では、公共性のある建物を高齢者や障害者が円滑に、安全に利用出来るような整備の促進を目的として、平成6年にハートビル法が制定されています。その後、その主旨をより積極的に進めるべく平成15年4月1日に改正法が施行され、また、平成18年12月に同法(不特定多数利用の建物が対象)と交通バリアフリー法(駅や空港等の旅客施設が対象)が統合されバリアフリー新法として施行されました。
こうした法令による上からの約束事は、課す立場のものも守る立場のものも、とにかく、やっておけばいい、ハードだけが先行しがちです。人の思いや介助のないハード面のみの設備だけでは、現実的にはほとんど役に立たないものです。どこでもよく見かけることですが、曲がりくねった点字ブロックの上を、およそ考えられないようなルートを視覚障害者は歩かされています。
詩人の栗木宏美さんは自ら手足に障害を持ち、医療行為のできるケア施設建設を目指しています。彼女は幼いころより、さまざまな偏見によって、社会と大きな壁で隔てられていたと言います。
彼女は心のバリアフリーを心がけて欲しいと訴えます。同じ心を持ち、共通の認識を持つことが必要となります。その共通の認識の部分で法律が多くの人の意識をマネージメントできれば、真のノーマライゼーションをもった社会を築くことができるのではないでしょうか。簡単なことではないかもしれませんが、、、。
なにも目に見えて障害のわかる人たちだけではありません。ちょっとした心と身体のわずかの違いは誰にでもあるものです。少数派の彼女たちのことを考える余裕を持つことこそ、すべての人に優しいまちづくりができるのではないかと考えます。この夏、北欧3国へ、行ってみるつもりです。
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