2008年7月19日

PCDAからの脱却

PDCAサイクルは、第二次大戦後に、品質管理を構築したウォルター・シューハート(Walter A. Shewhart)、エドワーズ・デミング(W. Edwards Deming)らによって提唱された。PDCAサイクルという名称は、サイクルを構成する次の4段階の頭文字をつなげたものである。
Plan (計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する。
Do  (実施・実行):計画に沿って業務を行う。
Check(点検・評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する。
Act (処置・改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする。
この4段階を順次行って1周したら、最後のActを次のPDCAサイクルにつなげ、螺旋を描くように一周ごとにサイクルを向上(スパイラルアップ、spiral up)させて、継続的な業務改善をしていく。

(『ウィキペディア(Wikipedia)』より)


コミュニティにかかわる運営や業務の形態を調べていて、コミュニティビジネスやコミュニティシンクタンクなどにおいても、このサイクルが援用されていることが多いことに気がつきました。


それは、とにかく、「DO」、何かを一方向的に進めることになりがちではないでしょうか。効率性や管理性においては、その方向でいいかもしれませんが、現代の多様で、複層的な事象を進めてゆくには、もっと、DOの部分を真剣に取り組む必要があるかもしれません。

「クリエイティブ資本論」では、社会をクリエイティブという視点からその趨勢を解明しています。


クリエイティビティとは統合する力。情報と知覚と素材を取捨選択して新たな価値を生み出す組み合わせを表すものであり、一人の天才の領分ではなく、普通の力、、、、つまり、気づくこと、聞くこと、言葉を理解すること、そして共通点を見出すことである、、、

それは、これまでの時代においても生産性や成長をもたらしてきたものであるが、技術革新や新しいビジネスの分野だけではなく、多元的、多面的なものであり、現代の時代においては創造の過程は個人的なものだけではなく、社会的なものであり、創造する組織が必要とされる説く。クリエイティビティを促す新しい構造が生まれつつあるというのです。

クリエイティブな思考は4つの段階、「準備」、「熟成」、「啓示」、「検証」、から生まれ、
「準備」では意識して課題に取り組み、正攻法で論理的に取り組む、、、「熟成」段階は意識下の精神と無意識がつくる方法によって問題について熟考、(つまり、想像力のことかな、)、、そして啓示段階でひらめき、新しい統合が見える段階となり、、、「検証」はその評価と修正となる。

ちょうど、それはデザインや創造行為と同じプロセス、しくみです。社会の多くの事業や活動においても、実際にはこのように神の啓示を待っているようです。技術も経済も、芸術も皆同じなのであり、さらに言えば、僕はまちづくりにおける集団的活動もPLAN-DO、そしてACTのような直線的方向ではなく、共有による創造性が大切だと考えてきました。それが啓示であり、共有する課題の発見につながります。

まちづくりという多数による集団による創造行為もまさにこのような熟成から啓示を待っている。PLAN-DOなど、ベルトコンベアに乗っかったような、それを検品するような、単純なサイクルでは、現代の複雑な社会や多数の市民や、新たな答えを求める活動にはむしろ、ブレーキとなるものではないかと感じます。

新たな創造、、それは難しいものではなく、「普通の力、、、、つまり、気づくこと、聞くこと、言葉を理解すること、そして共通点を見出すことである」ことのようです。

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