2008年3月2日

ベンチャーとしてのNPO

NPOはその社会的、非営利的性格から「経営の透明性」を確保しています。そのため、特に意思決定と監督の責任を持つ理事会と事業を展開する事務局とがはっきりと分離されています。

理事会の責任としては
1.明確な目的と目標の設定とその事業計画の管理
2.事務局長を選出とその活動の評価
3.事務局活動の確認と評価
4.3~5年程度の長期戦略や計画の策定
5.主要事業の実施計画の承認
6.財政計画や人事計画の策定とその実施支援
7.資金調達、資提供者の紹介
8.対社会的な広報
9.理事会の自己評価
10.労働環境の整備等法令遵守の確認
一方、事業を展開する事務局の役割としては
1.1年の活動計画の策定と進捗状況の管理
2.業務体制や顧客満足度など事業評価
3.ニーズの把握と事業展開の検討
4.資金調達と資金源の開発のための広報活動
5.財務、会計の管理
6.人材配置や活動場所の確保など日常業務活動の運営管理
7.理事会との連携活動
8.他組織や他地域NPOとの連携、協働
があげられており、理事会と事務局とは明確に役割分担がなされなければならないようです。

しかし、NPOがその活動を志したとき、どの企業もそうであるように、経営者が同時に実践していたと思います。経営と実践は一体のものだったのではないでしょうか。しかし、このように多くの責任を理事や理事会に頼らざるを得ないとするとその活動は誰のためのものなのでしょうか。

逆に、その多くは理事とは形式化、形骸化したものであって、実質は経営も実践も事務局が担っているということなのでしょうか。

志あふれる、しかし、基盤が脆弱なベンチャーにはNPOという組織形態は適切ではないのではないかと危惧しています。どこかで無理をしている、フットワークが重い、コミュニケーションがとりにくい、戦略を立てる理事会の言いなりになってしまう、、、、などなど志を持って始めた事業のその意味がなさないのではないかと心配します。


NPOとは大組織、確立した組織に適切な形といえますね。そして多くの指定管理者には法人格が必要とされています。しかし、ベンチャーが参入していかなければ、社会活動の新たな展開は見えてこないのではないでしょうか。

利益を求めないのではなく、余剰の利益を構成員に分配するのではなく、社会へ還元するという非営利の社会的活動にとって、どのような組織体が、法人化が望ましいのか十分考える必要がありそうです。

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