かつて、バブル前夜には、多様で独立的な立場をもった、フリーターという言葉が生み出されました。フリーターとは小杉礼子氏によると 、1980年後半、アルバイト情報誌『フロム・エー 』によって造られた新語であり、初めは「フリー・アルバイター」といっていたが、略して「フリーター」と呼ばれるようになったということです。
フリーター以前、私の学生時代は自らをモラトリアムと呼んでいました。何もしないでいるというよりは建築を目指して、自らの立場と価値観とを模索していた時代でもあったように感じられます。大学院に進み、留学する人も多かったのではないでしょうか。
モラトリアムとは、もともとは経済学の用語で、「支払猶予期間」のことを指すそうですが、心理学の用語として、「大事なことを引き延ばしに引き延ばして、やらない状態」のことをいうようになったようです。しかし、人間のとしての成長の中で社会的責任を猶予されると同時にそれをを育む大切な期間であったと感じられます。まだ、建築家の修業時代であった私たちは、このフリーという言葉にあこがれたものでした。フリーランス、フリーアーキテクト、それらは私たちの目指したものでありました。
本来のフリーターと現在のハケン、その違いはそのフリーランスたる独立性と強さにあるのではないかと感じられます。
地域での市民活動にもフリーランスが求められています。
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