2008年12月22日

グリーンスポーツ鳥取

グリーンスポーツ鳥取(GST)の活動は、広場や校庭を芝生化してゆくことでよく知られています。それは、これまでのような日本の芝によるものでもなく、また、これまでの造園手法によるものでもなく、西洋芝の一種であるティフトン芝の苗のポットを一定の間隔で植え、茎が延びてゆく芝自体の成長力によって、つくりあげるものです。数か月で全体が芝生の広場になっています。また、芝生化の過程で、市民自ら集い、芝生をつくりあげるものです。 http://www.greensportstottori.org/lawn/modules/myalbum/

日本各地における芝生化の動きに合わせて、メディアでも取り上げられ、注目を集めています。

しかし、彼らの活動の紹介には、芝生化に多くの視線が集まっていますが、むしろその根本は地域のスポーツ活動の場を提供してゆくことで、地域の運営を進めてゆこうとするもののようです。その事業活動が次のように示されています。

・スポーツの啓発普及に関する事業
・競技者、指導者及びボランティアの育成に関する事業
・スポーツ大会、スクール等の主催及び運営、その受託に関する事業
・地域代表競技チームへの支援
・新しいスポーツの普及活動(ペタンク等)
・幼稚園、学校や企業の運動会の支援
・野外音楽演奏やイベントの支援
・地元住民が企画したイベントの支援(例えば盆踊りや地元祭り)

その場を芝生にすることで、目に見える形で地域の拠点が生まれます。活動の場所となる芝生の広場やグラウンドを作り、その場所の利用を生み出すと同時に、日常の生活の場としても活用する、、、市民が集いつながりを持つための場が必要なのです。

また、ペットの管理やゴルフの練習など社会で問題になっていることを、それを締め出すのではなく、受け入れることで、そのルール作りをすることでコミュニティの再生を目指しているようです。混在することをあらかじめ避けたり、そのような場所を作らないことへ向かう、行政や行政の出先機関NPOのやり方とは大きく異なっています。
多くの地域では市民を豊かにする活動の芽は生まれ始めています、この活動を持続させる場の提供、成熟が今望まれているのではないでしょうか。


それは、GSTではすでに始められていて、彼らの活動の特色に表れています。
・豊かで美しい地域社会は地元住民が行政任せではなく、自らの努力で築き上げることを活動の基本としていること
・県が公有土地を市民団体(NPO)に長期間無償で貸し付けるわが国初の事例であること
・安全に遊べて,スポーツの練習が出来る芝の管理は会員(GSTや傘下クラブ)が自ら作業することで維持管理コストの大幅削減を目指していること
・除草剤などの農薬を一切使用しないで,安全性,環境保全を重視していること
・地域の子供からお年寄りまでが安全、健康的,かつ趣味としてスポーツを楽しめる新しい「地域密着型」の交流拠点を目指していること
・住民が地域社会の主役であるとの自覚を持って、行政官庁としっかり対話できるパートナーシップの確立を目指していること

行政の柔軟な役割も必要ですし、市民の高い意識も必要のようです。

1 件のコメント:

Kiwias さんのコメント...

見事にGSTの本質を捉えたコメントです。

芝生化自体ははっきり言ってそれほど大事な要素ではないです。

最も大事なのは芝生が周辺住民、地域社会にもたらす効果ではないでしょうか。

その効果とは実に多様で、多方面的で、多次元的に多いです。