岡崎市議会本会議一般質問を傍聴しました。手前が市議39名の座席、正面中央が上から議長席、演壇、記録席、左右は市長、副市長はじめ40-50名程度の市長部局からなる執行機関席です。
日本の議会を見るたびに暗くて、さびしげで、なんて威圧的なんだろうと不思議に思います。ドイツの連邦議会はボンにあったときからベルリンにある今も、日差しも明るく入り、暖かい感じのする生命感あふれる会議場です。ストックホルムの市庁舎は民族の歴史や文化を感じさせるばかりでなく、ノーベル賞授賞式が開かれます。
一部に若干の私語はあるものの静かに始まりました。午前中は一人50分の質問応答時間が二人分。
一人目は野党市議。「憲法25条を暮らしに生かす市政について」をテーマに、1)高すぎる国民健康保険料の引き下げ、2)子どもの貧困をなくすこと、3)高齢者福祉の充実について、、、3つの質問です。
冒頭から早口で原稿を読み上げられるので聞き取るのが精一杯でしたが、聴衆は原稿を見ながらの確認のようで、皆がいっせいにページをめくる姿は微笑ましくもありました。
数多くの質問が投げかけられ、精力的に取り組まれていることは想像できましたが、福祉などにかかわる基準となる現状の数値を執行機関に細かに質問され、その数値の低さから問題点を執行機関に理解させ改善を求めようという意図のようでした。しかしながら、その膨大な質問量に対する時間の不足と執行機関との認識の相違からほとんど議論になりませんでした。現況数値の応答などあらかじめ公開されていれば不要のものと考えられ、実質的議論に欠けるものでした。
二人目は与党新人議員。まず挨拶に1分半。最近自転車通勤を始められたようでエコに取り組んでいるとのアピールでした。質問量ははるかに少ないものでしたが、50分で2度の質疑応答に対し、十分な議論を行うにはこの程度だなと感じさせられました。
1)芸術文化の振興について、2)伊賀川周辺水害対策について、3)消防団員の福利厚生及び健康促進について、、が質問内容です。
芸術関係のホールの一元的な企画や広報、販売方法について尋ねられました。取り組み方によっては深く、そして重要な課題です。が、担当部長からジャズやクラシックをテーマとしていること、インターネットを利用した広報や販売についての説明、ピアによる委託のこと、有識者による委員会によるスケジュール決定などが説明されました。表面的な回答で具体的な戦略に欠けるものでしたが、質問者はいたく納得され、「インターネットでの一元的広報は良く存じていました。」と応えてしまいました。知っているなら質問するな、と言いたいところでしたが、、、。
最後は10分ほど時間が余り、市長から防災についての方針が述べられましたが、原稿を読み上げるだけの議員の主張とは異なり、自身の言葉による問いかけがずっと深い意識を投げかけたように感じられました。ゆっくりとした、しかし強い意識を持った主張が必要のようです。
市議が足を使い、地域を駆け回って、大切な市民の声を集める役割なのであれば、つまり民生委員や自治会長的レベルのものであれば、もっと多くの市議が必要ですし、一人50分×39名×年間4回のやりとりでは全く不十分です。また、市議団が市民の声を集積し、十分な企画や政策を策定する役割なのであれば、少数精鋭であって、何人かの研究員や秘書も必要でしょう。あるいはグループセッションのような組織として政策に関与する必要もあるように感じます。
市議会や市議団はどちらの方向を目指すのか、国会の相似形のような、形式的な市議会にはどのような意味があるのか。ディベートすらない、ブレンストーミングなどとはとても呼べない、静かな会場が、もっとホットに、固定デスクを取り外すくらいに、実質的な議論の場となり、アイデアの宝庫となることが必要なのではないでしょうか。
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