2009年6月21日

コミュニティシンクタンクとは


「コミュニティシンクタンク」で検索すると本ブログがYAHOOで3位、GOOGLEで4位にランクされています。組織の数が少ないのか、まだ概念が浸透していないのか、、、、。現実のシンクタンク活動は難しいのかもしれません。

Yの一位は「コミュニティシンクタンクふじ」富士市の市民によるシンクタンクです。
設立趣旨は

「・ 市民ニーズ(課題)を吸い上げ、それに関する調査研究に基づき政策提言を行う  ・ 行政から特定課題を受託し、それに関する調査研究に基づき政策提言を行う  ・ 独自に考え出した事業を社会実験的にコーディネートし、自ら実施する  ・ 行政が実施する各種施策について市民の意向を調査し、その内容を検証、評価することを目的に、」と掲げられています。

現在は主に以下の活動がおこなわれているようです。


Gの一位は「評価三重」。事業評価を基本業務として組織されたシンクタンクです。

その趣旨が
「私たちは、「評価」に関する情報を調査・研究し、「評価」に関するシステムを開発し、「評価」に関する私たちの知見を普及するといった地域からの情報発信を通じて、あらゆる公益に関わる市民活動団体・NPO及び行政の組織マネジメントの向上や事業の質的向上に資することを目指します。」と記載されています。
ただ、数年サイトの更新がされておらず、ここのところの活動が定かではありません。

市民が自ら企画運営するシンクタンクの難しさは実際、「moco」を設立してわかってきました。市民のありようから地域に根ざした課題が眼前に現れてきます。たぶん、市長も行政マンもとても認識できていないでしょう。近視眼的な地域の権益者も同様です。

一方で、市民の立場は脆弱でまわりの関係性に制約を受けます。制度、因習、おつきあい、、、、。それらを振り切って、真正面から発言したり、提言したりすることはとても困難だと感じました。本当はすべてを捨てて、社会のために取り組まなければならないのですが、「そこに生活する身」にとっては厳しいことになるようです。

しかし、コミュニティシンクタンクとはそこを明らかにせねばなりません。

Y4位、G5位にランクされているNPOセンターではコミュニティシンクタンクを次のように定義されています。

「1.コミュニティ・シンクタンクとは(1.3.1)
 コミュニティ・シンクタンクとは、地域や生活の現場に根ざして、生活者の視点、納税者の視点、社会的弱者の視点、地域コミュニティ再生の視点から、住民の生の声、地域内外の英知や専門知を総合編集して、地域の問題・課題を解決する政策形成力をもったシンクタンクである。
また、社会実験・協働型政策形成・政策評価・フォローアップという、結果責任を回避しない倫理感をもった実践・行動型のシンクタンクでもある。 行動のイメージとしては、住民や行政、関係者を巻き込んで試行的な実験を行いながら、政策の有効性、優先性の判断を決定するとともに、政策の立案・決定・実施に至るプロセスで行政との協働関係を構築、あるいは市民と企業、行政の協働関係をプロデュースする。
また、政策評価だけではなく政策の提案後、あるいは事業実施後も可能な葉にで(本文のまま)フォローアップを行なうというイメージである。 行政からの独立性や対等性・対抗性としては、NPOとして活動実績、テーマの先駆・先見性、住民や専門家のバックアップ力、そして提案具現化力がその担保になろう。」

また、その機能も次のように記述されています。

「2-2 機能
 コミュニティ・シンクタンクの役割と機能を整理すればおおよそ次のとおりである。

○住民、NPOの政策立案、形成力の支え(住民自治のサポーター)
・ 市民活動団体の課題解決のために行なう調査研究を、専門的な立場から支援する。
・ 住民・NPOに対する政策支援・政策形成力の強化機能
・ 地域活動、市民活動に関する情報センター、「まちづくり」センター
・ 地域の情報センター、地域学の研究所
・ さまざまな市民活動、活動人の力を総合するための舞台
○地域に根づいた政策研究機関として、公的課題(行政課題)についての調査研究を行なう。
・ 行政へのアドバイス、コンサルティング、市民的視点からの代替案の作成
・ 地方行政システム、地方行財政改革、地方分権の監査役
・ 政策に関わる情報デタベース機能
○新しい形のインターミディアリー組織(市民、企業、行政をつなぐ)
・ まちづくりをすすめる市民と企業・行政のパートナーシップのコーディネイト
・ 新しい「まちづくり」システムの開発、参加のデザイン開発
・ 議会、企業、大学、マスコミ、シンクタンクとのパートナーシップ  」

こうした本質的部分に取り組むためには、市民の声を集積しながら、いったん市民の立場を留保しつつ、代弁的な、中立的な、専門的な立場を前面に出して、コミュニティシンクタンクを運営する必要があるかもしれません。

市民活動団体についても次のように定義されています。
「市民活動団体の定義
 私たちは、NPO(NonProfit Orgnization)の日本語訳として「市民活動団体」を用います。 

ここでいう「市民活動団体(NPO)」とは、政治団体・宗教団体を除く次のような団体と考えます。

(1)目的性・公的利益性 公益(不特定多数)もしくは共益(特定多数)の寄与を目的とする団体。
(2)継続性・民間性 目的の社会的達成のため、民間により公式に設立・維持(その活動の継続性を確保)される団体。(ただし、任意団体も含み、かつ法人格は不問)
(3)自主性 有志による自発的かつ民主的な運営と、意思決定の自主性が保たれ、かつ活動に関して開かれている団体。
(4)非営利(利益不配分)性 目的達成に必要な活動資金(事業費・専任スタッフの報酬等)を得るための事業からの収益は、役員など個人に対して配分せず、本来活動のために再投資する団体。 なお、市民とは「より良い地域社会づくりに参画すべく志を持つ人々」と考えます。」

そこに住まう身の市民自ら、NPOセンターが指摘するようなコミュニティシンクタンクとして、真に中立的組織<インターミディアリー組織>となって、公的課題(行政課題)についての調査研究し、成果をあげてゆくには今しばらく熟成が必要のようです。

0 件のコメント: