特定非営利活動法人、NPO法人とは市民活動に一定の枠組みを与えた貴重な組織形態です。それは市民自らの手によって生まれた活動団体であることを意味し、その活動が独立し、また自由であることを保証するものです。
しかし、なかには、行政が立ち上げ、あるいは密接にかかわり、支援するNPO組織も少なからず存在しています。本来、行政と市民の中間に立場をおき、市民をサポートすべき中間支援組織と呼ばれる組織に、行政サイドに立ち、なかば出先機関のようにふるまっているNPOがあります。それらはたいていは弱者である市民側には立たず、行政の意向に従い、市民の動向をある方向へ誘導しようとします。
今、社会ではそれらを官製NPO、GONPOガンポと呼び、一般のNPOとは区別する動きが始まっています。GONPOとは、まち育て、人育てなどと言いながら、管理し、誘導し、行政側で決まっている既成の事業をあたかも市民で決めるなどと市民を集め、既定路線を追認させようとするものです。まちづくりの正義も倫理性もあったものではありません。
行政からの委託費用で運営が賄われ、行政から自立し、対等な関係にあるなどとはとても言えない、行政の出先機関のように、市民を囲い、誘導する組織です。市民はよく目を開き、偽善を見抜かなければなりません。
市民の声が行政に届かないで滞り、また行政からの情報が正確に市民に浸透せず、それらは、むしろ市民と行政が真に協働するための阻害要因とも言えるのです。真のまちづくりへの第一歩はその阻害要因を除去することのように感じられます。
このGONPOによる行政の市民管理は今後、各地に蔓延するかもしれません。行政にとって、開きたくない部分を開いているかのように見せる都合のよい組織だからです。
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