彼らの主催する昨年度の講演会の資料を聞かせていただきました。
ひとつは平野氏の「動物園の入り口を、図書館と考える」、もうひとつはこの平野氏と阿曽千代子氏、常世田良氏の鼎談、「図書館って本当に必要ですか?」と題する講演でした。
平野氏は、動物園へ行くときに、いろいろと情報を調べていく、書籍や絵本、音の入ったCD、写真集などから動物園を想像してでかけていくそうです。用意周到、知識欲の旺盛な方です。つまり、いろいろな情報から「仮想動物園」を描いてゆくことで、本物の動物園以上の大きな楽しみを堪能されているようです。
彼にとっては、図書館とは仮想の動物園であり、同時に仮想のさまざまな可能性を持ったものなのです。入り口としての図書館の向こうには膨大な世界が広がっている、使いようによっては膨大な活動の場所となるのですね。
すべてのものに、こうした入り口を考えてゆくとき、多様に積み重なった豊かな図書館の働きが見えてきます。今、仮想の膨大な可能性を自ら狭めるのではなく、広げてゆくことが必要のようです。
社会と自分との接点はいろいろとあります。社会へ入る入り口、をみつけること、そして用意しておくことがとても重要なことです。そのひとつが動物園である。
でも動物を語りだす時の彼の熱意は、それはもしかしたら図書館の司書ような役割を持ったものと感じられました。
読むための図書館ではなく、「語ること」 そこにこそ図書館の使命があるのではないでしょうか。
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