いくつかの仕事が重なっていた8月の後半、図書館活動家で、真夜中の図書館の著者、辻桂子氏と交流を進めるため、福岡県前原(まえばる)市を訪問しました。 前原市は福岡市の中心部から地下鉄空港線で約40分くらいの位置にあります。今は福岡市のベッドタウンにもなっていますが、近くの糸島は僕自身はずっとあこがれていた「海の階段」と名づけられた篠原一男の設計となる住宅があることで記憶の中にあったところでしたが、入り江や半島が重なり、別荘地やマリーナが点在する豊かな景勝の地で、 居住環境としてもすばらしいところです。
前原市は後背地を山で囲まれ、そこから地形の流れが中心部から半島の平地部へ、その先の海も感じられる、すばらしい町でした。山側はベッドタウン化による宅地化が進んでいますが、その流れが今中心部の高層マンション乱立へつながり始め、この前原も町の将来構想を考えるときが来たように感じられます。山から海への大きな流れをこの開発が台無しにしているようです。町の中心地に立つと地形の流れに沿って、風の道を感じることができます。
町の特性を見極める必要があるのですね。 中心部と周辺地、海に向かって広がる周辺地をどのように関係付けるか、同時に地元住民と新規住民のコミュニティをどうつなげるか、問題のようです。
辻氏は前原市で長い間、図書館建設活動を進められて、小さな図書館建設後も更に図書館のあり方を研究されています。
図書館のあるべき形、前原市での図書館の構想、そうしたものを語るうちに、それは町自身を語ることが必要になることがわかってきます。図書館もその姿を変えつつあります、変えてゆかねばなりません。しかし、それをしっかり考えることがまちづくりにつながるように改めて感じてきました。
中心部、周縁部、そのまちのつながりをつくるのは、そうした多くの市民を受け入れる図書館ではないでしょうか。
新しい未来の図書館を形づくる構想が協働で始まりました。
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