2007年8月7日

阿久悠の世界4/脱モダニズム

67年、阿久悠さんはデビューする。それは、学生の改革運動が世界的にも終わりを告げるころ、近代が終わろうとしていたころ。

ちょうど、このころクラスメートの女の子たちはフォーリーブスに夢中になっていた。そして、それから3年、スター誕生が始まり、森昌子、桜田淳子、山口百恵、岩崎宏美がデビューする。歌が軽やかに、意味を失い、歴史を吹き飛ばす。阿久悠が近代化され、自立し始めた日本の歌を一気に解体していったのだ。それは僕たち若者の歓喜の言葉が新しい歌を作り上げていったということだろう。

言葉の魔術師は実は言葉を解体し、新しいシチュエーションで展開していったのであり、阿久が通った跡には子供たちによって、新世代によって、新しい基準が生まれていっただけなのではないだろうか。

しかし、それこそ、ポストモダン。


それは主義や主張が終焉を迎え、社会が次の時代を模索していた時代でした。建築の世界でも磯崎新が、建築はこうあるべきという、近代主義思想を解体し始めたときだった時だと思います。そんな時代に阿久は登場する。

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