2009年8月3日

自分たちの生きる場所を自分たちでつくるために

それが金沢21世紀美術館が地域に、社会に飛び出し、生きた実践の場でアートを展開したプロジェクト「金沢アートプラットフォーム」のテーマです。

「近年、多くのアーティストが美術館という中立的なアートスペースを飛び出して、社会と直接的に関わる活動を多様に展開しています。どのような活動を通して社会に影響を与えることができるのか、どうすれば見えない未来に向かって新しい提案を行うことができるか―アーティストは、このような問いを抱え、生きた社会を実践の場として捉えながら、アートの可能性を探っています。

このような姿勢を持ったアーティストには、いくつかの特徴がみられます。表現者として先立つよりも、場や基盤をつくるコーディネーターのような立場に身を置き、仕組みや状況の建設へ向かうこと。また、協働的であり、関わり合う人たちとの了解、合意、ときには逆の反応である反発などを含めた相互関係を重視すること。展覧会などの形式や、美術、建築、デザインといったジャンルに捕われず、横断的に表現の可能性を捉えていること。そして、非日常であることよりも日常や場所との親和性、継続性に重点を置いていること

―そこでは、協働性と現場主義が優先され、さまざまな人たちと関わりあうことが求められます。」
http://www.kanazawa21.jp/exhibit/k_plat/index.php より)

金沢21世紀美術館では先進的、創造的なアートをテーマとし、地域の活性化に向けて一般の市民への教育普及を行ってきただけではなく、特に将来を担う子を積極的に美術館へ招いてきました。
美術館を中心に意欲的な取り組みを行ってきた21世紀美術館ですが、今、キュレーターもアーティストも美術館の枠を離れて、地域に飛び出していったのだと言えます。19人のアーティストが市内19ヶ所で 美術館アートバスやまちバスで巡ることができるようになってます。

「アートプラットホーム」とは、文字通り、駅のプラットホームをイメージし、そこでは、アートを介して人々が出会ったり、情報が行き交うことで新しい出来事の誘発を可能にします。それによって、会社、家庭、学校、地域、といった社会のさまざまな枠組みのあいだに新たなバイパスをつくること、人々のあいだに対話を生み出し、都市がいきいきとした活動の場となることを目指しているのです。」


社会に求められている重要な役割が美術館の世界で行われています。そこには利権や因習や制度を離れて、人々が共に住まうかたちが現れているのではないでしょうか。
それはどの組織にも共通に必要なことであり、図書館も市役所も議会も、そして大学もまちに出てゆくことが不可欠な時代になりました。

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

We Change (私たちが変える)の精神で「夢」を描くことが大事だ。

週刊エコノミスト 7/14日 特大号 2009年
闘論席
溝畑 宏 (大分トリニータ社長)

・・・・・・前省略
衆議院選挙が間近に迫っているが、日本のあるべき姿や世界における日本のイメージ、あるいは日本の将来について、「夢」というものを提案している政治家や首長が少ないと感じる。
 地方自治や国政において、なにより大事なのは、主役は地域住民や国民であるということだ。今こそ国民が自立自助、自己責任のもと、自分の考えを具体的な行動に移すことが必要ではないか。
 今、地方住民の現場力が問われている。私も大分トリニータを通して、地方の自立や発展に貢献したいという夢がある。(・・・・・・省略)

 東アジアにシルクロードが復活し、そこに人・物・金が行きかうことで、日本、そして地方が活性化する大きなバネとなる。そんな夢を日常的に地域住民、国民が政治家を含めて議論するべきではないか?
 何かと暗い話題が多いが、今こそ将来に向けて、自分たちがやれることからアクションを起こし、We Change (私たちが変える)の精神で「夢」を描くことが大事だ。
 

島崎義治 さんのコメント...

いつもありがとうございます。

93年に始まったJリーグはスポーツを市民の手に戻してくれたように思います。企業に頼った川崎Vや横浜Mは熟成しませんでしたが、鹿島や浦和が生き残り、新たに大分や新潟が羽ばたきました。Jリーグが夢を叶えたように感じます。

We Changeですね。
そして次はWhat we change.ですね。Whatが見つかればHowは自ずから見えて来るように感じているのですが、、、。どのようにお考えですか。

ぜひ、これからもご指導ください。よろしくお願いいたします。

匿名 さんのコメント...

思いきって跳べ  256
『メディチ・インパクト』:「THE MEDICT EFFECT」 FRANS JOHANSSON 
 257
……ほとんどの人間は、それぞれの生い立ちや経歴から生まれる異なるアイデアや概念を結びつけたいという願望を持っている。それなら、積極的にその結びつきを探そうではないか? 私はこの本の執筆にあたって、自分の興味ある分野で働きながら、同時に他の分野への興味を明確に口にする人に数多く出会った。「違う分野をつなぎ合わせ、結びつける方法が見つかれば、何かわくわくするようなこと、新しいことがやれそうな気がする」と彼らは言う。そう、そのとおりなのだ。
……省略


この世界はいわば巨大な〈ピーターズ・カフェ〉のようなもの。地球上のありとあらゆる港からやってきた船乗りたちが一杯のビールと会話を求めて立ち寄り、さまざまなアイデアを融合させるチャンスを見つける場所なのだ。そのつながりが生まれるところ ―― それが交差点である。
私たちはそれを見つけ……思い切ってそこに踏み込むだけでいい。     258

匿名 さんのコメント...

第6章  偶発的な概念の組み合わせを見つける  

多様な構成のグループ     
スタンフォード大学のロバート・サットン教授は著書 『なぜ、この人は次々と「いいアイデア」が出せるのか』(邦訳、三笠書房) のなかで、そのための方法をいくつか紹介している。サットンが奨励する「変わったアイデア」のひとつは、自分を居心地悪くさせる人間、違和感を覚える人間、さらには好きになれない人間を採用せよというものだ。もし自分が「気に入った」から、あるいは「われわれと同類」だからという理由で候補者を採用しようと考えているとしたら、それは逆にその人間を採用すべきでない理由と考えるべきだとサットンは言う(もちろんあくまで、その職やチームに創造性が求められる場合だが)。

省略
これらの助言の裏返しもまた真であり、多くの人はそのことに気づいていない。つまり、交差的アイデアを生み出したいと思ったら、自分とは異質の人間と一緒に働けるような環境を探し求めるべきだということである。いいかえれば、あなたの創造性を阻害する確実な方法は、自分と同類の人間がいる環境を探すことなのだ。もしあなたが自分と同じ見方で世界をみている(右脳派か左脳派か、芸術的な物の見方か経済的な見方か、など何でもいいが)人間が集まった組織に魅力を感じるとしたら、実際その組織に入ったときにどうなるかを考えてみてほしい。おそらくあなたは自分と同じように考えたり行動する人たちとチームを組むことになるだろう。チームの仲はきわめて良好で、多くの仕事を効率よく片づけることもできる。だがイノベーションを起こせるかというと、おそらく答えはノーだ。会議をしても皆が同じような考えをもち込み、何時間話し合ってもそれは変わらないからだ。                  115

省略
とはいっても、こうしたことが "言うは易く行うは難し"であるのも認めなければならない。似た者同士が一緒にいたがるのは、人間のもって生まれた性質によるだけではない。そのほうが、すべての事がスムーズに進むからだ。自分の嫌いなタイプの人間を採用すれば、言い合いやとげとげしい雰囲気など、トラブルが生じる可能性がある。ただ異なる専門分野や文化、思考様式、価値観や考え方などをもつ人間を寄せ集めれば革新的なチームができるわけではない。グループを適切に管理しなければ、問題を引き起こすグループダイナミクスがはたらいてしまうのだ。


第一に重要なのは、対立を個人的な問題にしないことである。グループのなかでは互いに反対意見を自由に言い合えなければならないだが必ず、理由をはっきりさせることが必要だ。具体的に焦点を絞った反論でなければ、反対意見を言われた側は不当に攻撃されたと感じかねない。さらに、すべてのアイデアが公平に扱われるというオープンな環境を保っことも重要だ。チームのリーダーは意識的にせよ無意識的にせよ、出されるアイデアの範囲を限定してしまうことがある。だが交差点においては、できるだけ多くの意外性に富んだアイデアの組み合わせを可能にする必要がある。それができるのは、まさに多様なメンバーで構成され、各自が自由に意見を言えるグループなのだ。


イノベーターは成功したから多くを生み出すのではなく、多くを生み出すから成功したのだ、と。いいかえれば、量が質を生むということだ。                                       132

匿名 さんのコメント...

以前の送信がエラーかも?
再度送らせていただきます

「よそ者 バカ者 若者」で検索したらありました

http://www.sawacom.net/jichi/yosomono/
sawacom.net
ウェブでコミュニケーションを加速する - sawazaki communications network
地域活性化の切り札:若者、バカ者、よそ者
sawazaki
(2008年9月22日)

地域活性化のための3要素
日本の自治体が地域活性化を行政目標に掲げるようになって久しいですが、地域活性化に必要不可欠な要素としていろんなところでいわれている言葉に「よそ者、若者、バカ者」というのがあります。
「若者」というのは誰もが思いつく要素。
地域に若い人が大勢いればそれだけで活気づきます。地域活性化を叫ぶ自治体の多くは地方の自治体、特に過疎化に拍車がかかってるところであり、それだけでも、若者がいかに地域に必要とされている要素かがわかります。今の日本に活気がなく、漠然とした不安感のようなものが漂っているのは、昨今の少子化問題と全く関係がないとも言えなそうですよね。

次にバカ者。
馬鹿と思えるくらい一生懸命に活動するという意味でのバカ者。目標に向かって行動していく計り知れない行動力を持った人が必要なのも、地域活性化だけでなく、あらゆるプロジェクトに言えることです。

そして、私が一番大事だと思うのが「よそ者」。
日本の地方はまだまだ保守的。よそ者が幅を利かせられる社会ではありません。しかし、地域活性化の先進的な事例をいくつか見ていくと、必ずそのキーマンに「よそ者」の存在があります。地域活性化の視点でみるなら、よそ者は地域の人たちが当たり前と思っている既成概念や本来価値があるものを客観的な角度(または新しい視点)でその土地の人たちに見せてくれます。また、しがらみがないからこそ、自由な発想や行動が可能となります。
私が知っている地域活性化成功事例の中には書籍で読んだ事例から、身近なところでの知り合いの事例も含めて、必ずこの「よそ者」の存在が際立っています。保守的な日本の地方で、一生懸命バカなことに打ち込めるのは、若いよそ者だけ、ということなのかもしれませんが・・・



http://www.geocities.jp/koyanagimeijin/015.htm
第15話 よそ者・ばか者・若者がまちを変える

(・・・・・・省略)
しかし、実はこの言葉には、もう一つ深い意味があります。それは、「よそ者・ばか者・若者は失敗を恐れない」ということです。地位や名誉がなければ、後悔を恐れる心配はありません。だから、よそ者・ばか者・若者ほど大胆なアイデアと行動が飛び出すのです。地位のあるあなたも、よそ者・若者にはなれなくても、年に一度位「まちづくりバカ」になってみませんか?