2009年8月9日

フランチャイズのゆくえ

コンビニエンスストア 「コンビニ」、それはだれも思いつかなかった消費の根本から生まれ、デパートや量販店、特別の専門店をも凌駕し、今や日本では最大のマーケットとなりました。いつでも、どこでも身近な生活用品を提供するという一種のブルー・オーシャン。

そして「コンビニ」はフランチャイズというシステムによって瞬く間に「いつでも、どこでも」を実現しました。フランチャイズとは一握りの起業家とそれを支える多数の店舗オーナーとのコラボレーションと言えるかもしれません。


「フランチャイズとは、「フランチャイズは英語で「販売権を与える」という意味があります。フランチャイズビジネスにおいては、その権利を与える企業を“フランチャイザー”、“本部”といい、与えられる側を“フランチャイジー”、“加盟店・加盟者”といいます。

つまりフランチャイズチェーンとは、営業の象徴となるマークを利用し、システム化された経営のノウハウを用いて、同じ商品の販売などを行なう権利を提供するするフランチャイザー(本部)と、それを利用して店舗運営をしていくフランチャイジー(加盟者)が構成する集団のことで、お互いに利益を得ようとする共同体といえます。フランチャイジーは見返りとしてフランチャイザーに一定の対価を支払います。フランチャイザーとフランチャイジーの経営責任は別で、それぞれが独立企業です。 」
http://www.franchise-navi.jp/beginner/begin11.html より)

しかし、意外なところ、消費期限のある弁当の販売からほころびを見せようとしています。また、フランチャイジーたるオーナーが会社従業員のように労働組合を結成したとも報じられています。

消費者にとっては、「いつでも、どこでも」の替わりに定価でもいいから購入するわけですが、オーナーにとっては本部から決められた卸単価でいつもの商品を購入し、それを定価で販売するコンビニ経営はうま味のない経営かもしれません。

しかし、弁当の販売数など、一般の経営者なら、天候や気象条件、地域性、購買履歴など神経を研ぎ澄ませて、需要を予測するのではないでしょうか?仕入れた弁当が大量に余るなど経営者失格です。

そして、定価の破壊は「コンビニ」店舗という、その経営をもっと大きな競争の海の中に飛び込ませてゆくことになりはしないでしょうか。また、労働組合は「オーナー」という自らの立場を単なる従業員とおとしめるものではないのでしょうか。



オーナーが自らを全国展開企業の支店長と考えるか、それとも独立企業のオーナーと考えるか、、、そこに大きな分かれ道があるように感じます。従業員としての待遇を守るのではなく、オーナーとしての使命を死守することが必要なのではないかと感じられます。

そこにこそ、経営という大きなモチベーションがあるのではないでしょうか。「コンビニ」と言えど、スタッフの対応も、品ぞろえも、店の雰囲気も様々です。1オーナーがやるべきことも山のようにあるはずです。

セブンイレブン本部もそのように考えているようです。
「私たちのフランチャイズ・ビジネスは、加盟店さまと本部が対等の立場で、独立性を保ちながら取り組む共同事業です。その信頼関係の基盤になっているのが、3つの制度とシステムです。まず、小規模な資金で事業をスタートさせ、安定した事業運営を進められるように考えられた決済・融資の仕組みである「オープンアカウントシステム」。加盟店さまと本部が売上げ総利益を一定の割合で分け合う「荒利分配方式」。そして、オーナーさまに年間の総荒利益額を保証する「最低保証制度」。セブン-イレブンのお店の安定した運営と着実な成長は、ここにベースがあります。」(http://www.sej.co.jp/corp/aboutsej/franchise.html より)

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

P・42の一部をメモしました(全体像は未読で?)

週刊東洋経済 2009・8・8 特大号

P.40 セブン-イレブンが突きつけられた、成長路線一辺倒への疑問

・・・・・・省略
セブンの基本契約書30条には「加盟店は商品の価格を自らの判断で決定する」と明記されている。加盟店指導の一部に行き過ぎがあったという事実だけではなく、セブンの場合、価格統制は明確な契約違反になる。
 省略・・・・・・
「コンビニは変化対応業である」。これは鈴木会長の持論であり、哲学だ。にもかかわらず、今回の件は、その変化対応を最大の強みとしていたセブンが、外部の圧力がなければ変わらない事実を露呈した。
省略・・・・・・

島崎義治 さんのコメント...

ご指摘ありがとうございます。

セブンイレブンなどフランチャイザー側の優位な契約が社会で問題になっているようですね。

フランチャイジーの今回の反乱がもっと豊かな組織の関係を作り出してくれるといいですね。

どうぞよろしくお願いします。