2009年8月13日

静岡空港の魅力を高める有識者会議初会合

「静岡空港:施設に厳しい注文次々--有識者会議初会合/静岡

川勝平太知事や建築家、女優らによる「静岡空港の魅力を高める有識者会議」の初会合が12日、静岡空港内で開かれた。空港施設について「ビルが狭く、使いにくい」「喫茶店がなく、ゆっくりできない」などの厳しい注文が目立った。川勝知事は会合後、記者団に「(空港が)いかに未完成か、よくわかった。やるべきことはいっぱいある」と述べた。

川勝知事の意向で設置され、初会合は委員12人のうち8人が出席した。浜松市出身の女優、鈴木砂羽さんは「全体的にビルの色彩が暗い。明るい色を使った方がいい」と指摘した。また、「将来的には最寄りに新幹線の駅を作るべきだ」との声が相次いだ。
県は今後、会議を重ね、委員の意見を踏まえた対策を検討する。【浜中慎哉】」
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20090813ddlk22010120000c.html より)

無理やり進めた事業を肯定、前提とし、その後の活用を考える会議や委員会はどの地域でも行われているようです。新たに選定された委員が与えられた状況において恣意的な意見を述べる、、、、お役所仕事の典型です。

機能が十分でなく、また魅力もない空港計画は誰が策定したのでしょうか。多くの有識者や専門家がかかわってきたはずです。彼らこそが空港建設やその妥当性を判断し、お墨付きを与えた首謀者ではないのでしょうか。

彼らは結果には誰も責任を取らず、今も第3者的に過ごしておられるのでしょう。責任を取らないで専門的な判断を下すことの不条理を皆が実感するべきです。

事業の推進段階で委員会に名を連ねていた有識者や専門家の責任を問いただすことから始めなければならないのではないでしょうか。有識者や専門家とは権力や制度に目を向けるのではなく、それのどこに問題があるのか、何を目指すべきか、きちんと市民の側へ立つ責務があります。

きちんと中立的立場に立って責任ある判断を下せることが専門家であり、有識者であることの証であるはずです。

どこでも、そして何度でも起こるこうしたお役所仕事とお抱え委員会、あるいはお抱えGONPO。「今後このようなことは二度と起こしません。」という事故や不祥事のような釈明ではなく、何故起こったのかを明らかにしない限り何度も起こることになるでしょう。

あなた方の責務なのですよ。 責務であるからこそ、静岡県は今でも委員名簿をホームページで公開しています。お墨付きを与えることの怖さを実感することが必要ですね。
http://www.pref.shizuoka.jp/kuukou/contents/ayumi/kaigi/juy.html
http://www.pref.shizuoka.jp/kuukou/contents/ayumi/kaigi/senmon/index.html より)

静岡空港需要等検討委員会
屋井 鉄雄委員長(東京工業大学工学部教授)
塩川 亮 (静岡大学教育学部教授)
中島 英輔((社)日本建設機械化協会建設機械化研究所長)
林山 泰久(東北大学大学院経済学研究科助教授)
兵藤 哲朗(東京商船大学商船学部助教授)

静岡空港専門家委員会
木村 尚三郎委員長(静岡文化芸術大学学長)
中山 慶子委員長代理(静岡県立大学国際関係学部教授)
大泉 光一(日本大学国際関係学部教授)
斉藤 晃(東海大学海洋学部教授)
塩川 亮(静岡大学教育学部教授)
徳田 賢二(専修大学経済学部教授)
中島 英輔((社)日本建設機械化協会 建設機械化研究所長)
橋本 裕子(弁護士)
馬場 信行((社)日本航空機操縦士協会 副会長)
林 圭一郎((財)航空保安協会顧問)
兵藤 哲朗(東京商船大学助教授(流通情報工学課程))
政所 利子((株)玄 代表取締役)
横田 勇(静岡県立大学環境科学研究所教授)

14 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

愛知県の神田知事が進めておられる「設楽ダム」について、レポートが載ったHPがありました
長良川河口堰、徳山ダムと水の需要が伸びない中で箱もの行政が続きます


http://www.geocities.jp/ombs_toyohashi/sitarakengaku.html

  2006年? 4月29日設楽ダム建設予定地バスツアーに参加された蔵治光一郎さんからの感想です。
    蔵治 光一郎さんのプロフィール
     1965年生まれ。東京大学院在学中
     青年海外協力隊としてマレーシア・サバ州
     森林局森林研究所に勤務。
     東京大学愛知演習林講師
     著書に「緑のダム」、「森の健康診断」(編著)
     「森林百科」(朝倉書店、分担)など。


 4月29日設楽ダムバスツアー、お疲れ様でした。
 参加された皆様の興味と私の個人的興味はかなり異なっていたかも
しれませんが、とても楽しめました。

 まず、黄楊野【つげの】高校について何も知らなかったので、どのような
経緯で出来た高校なのかを知り、実際に構内まで入ることができたこと
は予想外の収穫でした。

 次に、豊川用水の取水堰(大野頭首工)ですが、私が川を見せていただく
時は、土木工学の専門家と一緒のことが多いので、頭首工では必ず降りて
見るのですが、止まりもしなかったので、驚きでした。
帰りの寒狭川頭首工でも同様でした。

 豊川で、中世以来の不連続堤・遊水地(霞堤)を見たのも初めてでした。
遊水池と知りながらそれを隠して売る方も売る方ですが、買う方も買う方
です。河川整備計画でも、遊水池内には浸水させないとは書いておらず、
浸水の頻度を減らすよう努力するとしか、書いてありません。

 兵庫県の河川では、洪水常襲地域と知らずに買い、被害に遭って移転を
希望する住民に対して「移転しないでくれ」という行政の対応に「わざと洪水
常襲地域に住まわせて被害を強調し、ダムを作る口実にしたいからでは
ないか」という疑念が向けられている、という事例を知っていますが、豊川の
不連続堤防の内側の生命財産に対してどのような対応がされるのか、
それを住民はどう思っているのか、調査すれば面白いように思いました。

 設楽ダム建設予定地の現場は、予想通り自然度の高い場所でしたが、
ぜひ上から見下ろしてみたかったです。国土交通省の河川整備計画
には飛行機から撮ったダムサイトの写真が載っていますが、山の上に
平家の落人?集落(松戸)があると聞きましたので、そこに登って谷底を
見下ろしてみたかったです。

 水没線以下では、枯れかかっているスギや、モモなどの木の補償額が
どのように算定されるのかに興味を持ちました。

 設楽森林組合長の伊藤堯祥さんのお話はとても興味深かいものでした。
ダムで水没する300ヘクタールにあるスギヒノキの調査はほとんど
終わっているが、これが切られて一気に市場に出ると市場価格がさらに
暴落するので、悩ましいという話、また、東三河で先行している流域材
認証も、西三河でも一緒にやってもらいたいというご意見でした。
伊藤さんには、拙共編著「森の健康診断」を贈呈してきました。

 私は、「緑のダム」研究者として、川辺川ダムを研究していますが、同じ
多目的ダムとして、至るところに同じ構図があるという印象を受けました。
上流は最初絶対反対。しかし長年の運動で疲れ果て、国の数々の戦略に
も負けて建設推進に転換。そして今になって、下流から「もう水はいらない、
税金の無駄遣い、環境を破壊するな」と言い出し、上流にやってくる。
上流にしてみれば、下流のために犠牲になってくれという話だったのに、
今更なんだ、と受け止めるでしょう。そして、反対は結構だがこれから
上流が生きていくためにあなた方はいったい具体的に何をしてくれるんだ、
ということになる。

 川辺川と大きく違うのは、設楽ダムは残念ながら多くの人の関心事には
なっていないということと、知事が推進の立場を明確にしていることです
(熊本県知事は川辺川ダムに中立の立場)。

 今後、情勢が大きく変わらないのであれば、あと10年もすれば、現在の
川辺川ダム予定地のように、すべて移転が完了した川沿いの集落
(川辺川では1軒のみ残留)、水没線より上に付け替えられた道路と橋、
それより上にある移転した集落(保証金御殿)が見られることでしょう。
設楽の方々を川辺川に案内して差し上げたいと思いました。
(川辺川ダムツアー、企画しましょうか?)

 個人的には、岡崎(本宿)の人間環境大学にエコ・アクトというサークルが
あり、とても意識が高い学生がたくさんいることを知ったことがよかったです。
また、この大学の学長は、私が20年前からよく知っている先生だという
こともわかりましたので、一度ご挨拶に伺おうと考えています。

 企画と進行をされた情報公開を進める会の鈴木さん、ガイドを務められた
市野さん、おいしい揚げ物を作っていただいた皆様、
 ありがとうございました。

 次はぜひ「おしどり」の季節に行きたいと思います。


これは、下に貼り付けたHPにありました
http://www.geocities.jp/ombs_toyohashi/


蔵治 光一郎氏は公務員ラシカラヌ公務員と自認され、普通の人をも対象に森林の効用(緑のダム)について啓蒙活動:シンポジューム等をしておられます
(グループ活動?)「森の健康診断」を豊田でつづけられ、昨年、6月?に額田の森(岡崎市)でも実施されました



1. asahi.com(朝日新聞社):名古屋市長、徳山ダム導水路予算の一時凍結 ...
2009年5月15日 ... 名古屋市の河村たかし市長が15日、記者会見を開き、岐阜県の揖斐川上流にある徳山ダムの水を木曽川と長良川に引く ... 河村名古屋市長が導水路事業からの撤退方針を表明した徳山ダム=岐阜県揖斐川町、本社ヘリから、恵原弘太郎撮影 ...
www.asahi.com/national/.../NGY200905150006.html

匿名 さんのコメント...

豊川流域の住民のなかに、「設楽ダム」は河川改修で代替え出来る? と粘り強く、粘り強く活動しておられる人が複数おられます
(官、相手は疲れますよね!!?)

http://no-dam.net/file/treetrust.pdf
1. [PDF]
立木トラストへの参加呼びかけ(趣旨)
- 10:30
ファイルタイプ: PDF/Adobe Acrobat - 表示
2009年2月22日 ... 立木トラストへの参加呼びかけ(趣旨). 国と愛知県が、豊川上流部に建設を進めようとしている設楽ダムは、総貯留容量 ... 〒440‐0069 豊橋市御園町 1‐3 奥宮芳子. 申込条件. 個人で申し込んでください。一人一本限定です。一本 500 円 ...
no-dam.net/file/treetrust.pdf



名古屋市在住の活動家(グループ)もおられるようです
関心あれば下を

1. みみずのたわごと(23)設楽ダム立木トラスト開始-JanJanニュース
設楽ダム建設計画が、いよいよ着工となってしまった。我われは「設楽ダムの建設中止!名古屋の会」を結成し、小生が代表になった。豊橋市で「設楽ダムの建設中止を求める会」拡大幹事会開かれ、「立木トラスト」の開始を決定した。ご協力をお願いしたい。
www.news.janjan.jp/area/0902/0902248203/1.php

匿名 さんのコメント...

わかりやすく説明された、HPがありました

1. 設楽ダム阻止 立ち木を購入 : 環境・生活 : 中部発 : YOMIURI ONLINE ...
- 11:06
2009年2月27日 ... 国土交通省が設楽町の豊川上流に計画している設楽ダムの建設を阻止しようと、豊橋市の市民団体「設楽ダムの建設中止を求める会」(市野和夫代表)が立ち木トラスト運動を始めることを決め、3月1日から立ち木の購入希望者の申し込み ...
chubu.yomiuri.co.jp/news_kan/kan090227_5.htm



設楽ダム阻止 立ち木を購入 
豊橋の市民団体が募る
 国土交通省が設楽町の豊川上流に計画している設楽ダムの建設を阻止しようと、豊橋市の市民団体「設楽ダムの建設中止を求める会」(市野和夫代表)が立ち木トラスト運動を始めることを決め、3月1日から立ち木の購入希望者の申し込み受け付けを始める。
 立ち木は、同会メンバーで同町の内科医、伊藤幸義さん(61)がダム建設による水没地区の山林(約2500平方メートル)に所有するスギの木約3000本。賛同者に1本500円で購入してもらい、立ち木にオーナーの名札をつけ、国の補償交渉の手続きを煩雑にしてダム建設に待ったをかけたいとしている。
 購入した立ち木は転売や伐採をせず、ダム建設が中止になったとき、所有権を伊藤さんに戻す条件で契約を結ぶことにしている。
 問い合わせと申し込みは同会メンバーの奥宮芳子さん方(0532・54・7305)へ。
(2009年2月27日 読売新聞)

匿名 さんのコメント...

「静岡空港」と「設楽ダム」の概要が書かれた、視察レポートがありました


http://www.eforum.jp/fieldsurvey2009-1.htm
1. 2009.7.18更新 環境行政改革フォーラム 環境政策 現地視察(静岡県 ...
9:00頃 宿泊地(豊橋市ホテル)発 現地側参加者とはホテルで合流 途中、大型風力発電視察 10:00頃 豊橋市現地公民館到着 現地視察 12:00 ... トラスト共有地・立ち木トラスト 反対派は反対派の元々の地権者(本来地権者)の所有する空港予定地内の土地の一部を静岡県内のみならず県外や外国 ... 設楽ダム概要総貯水容量約1億m3の設楽(したら)ダムは、愛知県東部の三河山地に発し渥美湾(三河湾東部)に注ぐ豊川 ...
www.eforum.jp/fieldsurvey2009-1.htm - キャッシュ - 類似ページ -

2. 環境行政改革フォーラム 環境政策 現地視察(静岡県・愛知県) 概要 ...
理由は、滑走路延長線上にある建設反対派住民団体の立木トラストの一部が航空法の規制領域に引っかかり、結果的に開港が半年遅れ、その間、巨額の ... 多目的ダムというのがあるが、まさに設楽ダムは無目的ダムである。これは環境行政改革フォーラムの市野会員が名付けたものである。 ... 豊橋市東部の海岸沿いにある中部電力の巨大風力発電装置は、周辺集落、住宅との間の最短距離ガイドラインが250mと短く、低周波振動、 ...
www.eforum.jp/fieldsurvey2009-2.htm -


(全て伝聞情報ですが)
額田(岡崎市)20機?と作手(新城市?)20機弱?の大型風力発電を設置する計画が進んでいます
『CEF 額田ウインドファーム事業』
岡崎市役所環境総務課と額田支所が「意見書」を受け付けています。8月24日締切
7月9日の中日新聞と朝日新聞に事業公告?が載っているとのことです

匿名 さんのコメント...

八ツ場ダムがなくなる可能性が出てきた  

森まゆみ

http://allatanys.jp/B001/UGC020005020090729COK00351.html
『 あらたにす 』 新聞案内人  
2009年07月30日 


森 まゆみ 作家・編集者 経歴はこちら>>

八ツ場ダムがなくなる可能性が出てきた(1/4)

 この欄に昨年12月に書いた、群馬県の「八ツ場(やんば)ダム」計画について、民主党はマニフェストで中止と言って、「脱ダム」の目玉に掲げている。社民、共産、新党日本なども反対だ。

 ということは57年間、なくても誰も困らないのに工事を続け、しかも完成せず、ダム本体に着手すらできていないこのダムは、今回の解散総選挙の結果によっては廃止に追い込まれる可能性が高くなってきた。相変わらず国は2016年完成と謳っているが。

以下省略・・・・・・ HPで、お読みください
http://allatanys.jp/B001/UGC020005020090729COK00351.html

島崎義治 さんのコメント...

膨大な資料ありがとうございます。地域で元気に取り組まれている方がいらっしゃいますね。こういう活動を見ていると、組織で一丸となって取り組んでゆくことの大切さがわかりますね。

もう一歩進んだコミュニティシンクタンクの必要性を実感します。やらねばと思います。

エコに名を借り、地域や市民をないがしろにした事業がダム開発にとって変わるかもしれません。居住地近くに大型の風力発電所など必要なのでしょうか?

どうぞ、よろしくお願いいたします。

匿名 さんのコメント...

量が多くてごめんなさい


「4ダム必要なし」 淀川流域委が国交省に近く意見書
2008年04月22日

 国土交通省が計画している淀川水系の四つのダムについて、同省近畿地方整備局の諮問機関「淀川水系流域委員会」(宮本博司委員長)が22日、ダム建設は適切ではないとする意見書をまとめた。近く、同整備局に提出する。国交省のダムをめぐり、諮問機関が「脱ダム」の方針を答申するのは極めて異例。今後、整備局は大阪府など関係知事の意見を聴いて判断するが、4ダムの推進を盛り込んだ河川整備計画の原案の見直しは避けられない見通しとなった。
 流域委が意見書で、河川整備計画に位置づけることが「適切でない」としたのは、大戸川(だいどがわ)(大津市)▽天ケ瀬(京都府宇治市)▽川上(三重県伊賀市)▽丹生(にう)(滋賀県余呉町)の4ダム。計画原案を見直し、流域委に再提出することを求めている。
 流域委は、計21回の会合で整備局に開示させたダムの治水効果のデータや事業費などを検証。大戸川ダムは200年に一度の洪水時に淀川の水位を19センチ下げる効果しかないことや、川上ダムは自治体同士で水利権を融通すれば新たな利水の必要がなくなることなどを明らかにした。こうした指摘に整備局から十分な説明がないとして、流域委は意見書で「ダムの必要性に十分説得力のある内容になっていない」と判断した。
 また、遊水地や河川改修などのダム以外の治水案についても「検討が不十分」と指摘。「ダムの必要性や緊急性を検討するには、堤防強化などの対策との組み合わせについて、事業費を明示し、優先度などを総合的に検討することが不可欠」とした。
 97年の河川法改正で、河川整備計画に住民の意見反映が盛り込まれ、流域委は01年、その趣旨に沿って設置された。03年には、余野川(大阪府箕面市)を含む5ダムについて「原則建設しない」ことを提言。整備局は05年7月、大戸川、余野川の2ダムを凍結するといったん発表した。しかし、07年8月、「余野川以外のダムは必要」との姿勢に転じ、4ダムの建設・再開発を盛り込んだ河川整備計画の原案を策定。整備局主導で、半数の委員を入れ替えた流域委にこの原案を諮問した。

 同省近畿地方整備局の谷本光司・河川部長は意見書について「ダム建設が適切でないと我々が納得できるような根拠のある内容ではないと考える。きちんとデータを説明すれば、ダムの必要性を理解してもらえると思う」と話した。原案の再提示の求めについては「原案はあくまでも計画をつくるためのたたき台で、つくり直す性質のものではない」とした。

出典不明(たぶん朝日コムだと思います)

匿名 さんのコメント...

素敵な市民目線の元キャリア官僚:技官?がおられました。
今は民間人(京都で実家の事業を継がれたようです?)

1. 2009年4月号 淀川水系流域委員会委員 宮本博司|スペシャル対談 ...

国土交通省の元キャリアで、現在は同省を退職して一人の住民として淀川水系流域委員会に参加している宮本さん(56)。 ... 宮本:「淀川ではダムの中止まで考えているぞ」ということが伝わって、2007年1月には流域委員会をつぶすという話になりました。 ...
www.chikyumura.org/about/.../2009/.../01112405.html


http://www.chikyumura.org/about/conversation/2009/04/01112405.html
2009年4月号  淀川水系流域委員会委員 宮本博司

国土交通省の元キャリアで、現在は同省を退職して一人の住民として淀川水系流域委員会に参加している宮本さん(56)。国を相手に、正々堂々と治水事業の見直しを申し入れています。お金や利権より命や環境が大切だという、当たり前なことを当たり前に伝えていこうと、昨年、政経塾にも参加しました。



■ 住民の声を本気で聞こう!

高木:「淀川にダムは必要か」という重要な問題提起をされている宮本さんをお招きしました。まずは流域委員会の成り立ちからお願いします。どうしてこんなに住民の声が反映できるまともな委員会ができたんですか。

宮本:1997年に河川法の改正があって、「国交省はこれから住民の声を聞く」ということになったんです。それを受けて流域委員会を立ち上げたのがスタートになります。それ以前の国交省は、長良川河口堰などで大反対運動があって叩かれまくっていたわけです。そこで河川法を改正して「もう勝手なことはしません」と、180度方針を転換したのだと、私は本省内にいて理解していました。そこで淀川では国交省主導ではなく、メンバーも学識経験者もオープンに選んでもらって、事務局も民間のシンクタンクで、会議もオープンにやることにしたんです。

高木:だけど、行政主催の「○○委員会」というものは、「住民の声を聞く」というのはポーズであって、実質は、行政側に立つ御用学者や推進に利権のある人たちを選んで、はじめからシナリオも結論も決まっているものでしょう(笑)。

宮本:もちろんそういうものだということはわかっていましたが、河川法の改正で、これからは本当に変わるのだと思ったのです。だから私は本気で住民の声を聞く気でいましたし、「流域委員会が『NO ! 』という結論なら、もうダムは作りません」といって始めたんです。それが新しい河川行政であり、淀川方式だと、マジで考えていました。

高木:すごい! それでどうなったのですか。

宮本:「淀川ではダムの中止まで考えているぞ」ということが伝わって、2007年1月には流域委員会をつぶすという話になりました。その時にはありがたいことにマスコミや住民たちが「おかしいじゃないか ! 」と騒いでくれて、それで国交省もつぶせなくなって、一旦休止にして別な委員会を作って流域委員会を評価させたんです。でもその委員会も「基本的に流域委員会のやり方は正しい」という結論になって、2007年8月に再開したんです。

■ 自分で見て感じて決める!

高木:宮本さんが国交省を辞めることになったいきさつは、その辺りの軋轢からですか?

宮本:28年間国交省の役人をしてきて、辞めるにあたってはいろいろな理由がありました。国交省の中にいても、状況が変わってしまった以上、淀川でやってきたことを続けることはできないなという雰囲気は感じていました。例えば次にどこかの局長になったとしても、自分の本音をいえなくなるだろうという思いはありました。

高木:本音とはどういったことですか。

宮本:私は淀川に関わってから、何十キロも川岸を歩いたりカヌーに乗ったり、川と触れ合ってきました。机の上や頭の中で考えたことではダメだと思うのです。自分で見て感じてショックを受けないと、本当のことはわからない。というのも、28年間河川行政の仕事をしてきましたが、その20年間は、川のことや住民のことが全く見えていませんでした。本省の中でダムを作る部署にいて、書類がマニュアル通りか、基準に合っているかということだけで、テキパキと仕事をこなしてきました。そんな時に、岡山県の苫田ダムに関わりました。そこはダム阻止条例ができた町で、コミュニティや人間関係が壊れていく様子を目の当たりにしたのです。ダムはこんなにも大きな犠牲を払うんだ…そんなことも知らずに、霞ヶ関で書類上のダム計画に○×をつけてきた…住民の痛みや地域の痛みをわからないままに判断してきた…そのことに大きなショックを受けました。「地域の声こそが大切なんだ」という思いを強めたときに、河川法の改正。だから淀川は、自分の思いを実現できるチャンスだと思っていました。

高木:宮本さんのお気持ち、よくわかりました。それが流域委員会の原点なんですね。実際に歩いてみると発見も多かったでしょう ?

■ 今こそ未来を選択する分岐点

宮本:淀川の堤防は高さが10mくらいで、中は土や砂でできています。現在、洪水のエネルギーを川に集めて一気に流し、堤防で守るというスタイルを取っていますが、肝心の堤防は土でできたもろいもの。こんなものを作らずに、田んぼや湿地帯に水を貯めるべきなんです。エネルギーを川に集中させず、じわーっと分散させるんです。

高木:その通りです。水田や遊水地に分散させることが、昔からの治水方法です。10年や20年に1度の氾濫があっても、それによって農地が蘇るのですからね。

宮本:そうなんです。農業政策と治水と町作りとは一体で考えないといけないもの。でも省庁は縦割りで、計画策定に連携が取れていない。日本の一番の不幸は、地域と離れていて、地域の実情も痛みも全くわからない霞ヶ関が、計画を全部決めていることなんです。

高木:同感です。まったくおかしいですね。地方分権が叫ばれていますが、本当は地方主権。税金も、本来、国から分けてもらうものではなく、地方から国へ分けるべきものです。ダムにしても、国際的にも「ダムは無駄。ODAの対象からも外すべき」という結論が出ているし、ヨーロッパではもはや計画されていない、アメリカではダムの撤去が進んでいる。その点を国交省ではどう考えているんでしょうか。

宮本:日本は洪水も多いし国情が違うと言っています。世界の実情や住民の思いは知識としては入ってきても計画には入ってこない。役所内の会議の基準は、自分たちの組織にとってプラスか、権限が増えるか、予算がつくか、なんです。このおかしさは、役所の内にいると段々わからなくなっていくのです。

高木:なるほど。だから外に出たんですね。

宮本:今は、一人ひとりが自分で見て感じて動いていかなくちゃいけない、その分岐点だと思うんです。『地球村』のみなさんも、ぜひ自分の町はどの堤防で守られていて、どの水を飲んで、使った水がどこへ行くのかを調べてみてほしいと思います。それを知れば、川や地域についての意識が変わると思います。

高木:自分で見て知って感じることで行動は変わります。大切なメッセージありがとうございました。では、世直しの政経塾のメンバーとして今後ともよろしく。



■淀川水系流域委員会 http://www.yodoriver.org/

島崎義治 さんのコメント...

ダム資料ありがとうございます。
国土交通省は、名前が変わっても建設省のままですね。「黒部の太陽」がまだまだ生きているようです。

国土交通省、中部地方整備局が指揮する「新まんなかビジョン」は9つの特色ある地域を設定し、中部の連携を作ってゆこうとするものですが、その多くは同じような道路と水系のコンクリートによる整備のようです。
http://www.cbr.mlit.go.jp/mannaka/index.html

まだまだ、知らないところで、知らないうちに決められています。

どうぞ。これからもご指導よろしくお願いいたします。

匿名 さんのコメント...

http://ajimura.blog39.fc2.com/blog-entry-720.html
1. この国を考える 淀川流域委 活動休止、再開のめど立たず
朝日新聞 2009年8月4日淀川流域委が活動休止、再開のめど立たず 大戸川(大津市)などのダム計画に反対意見を表明してきた国土交通省近畿地方整備局の諮問機関「淀川水系流域委員会」は3日、第3次委員の活動を終了した。現委員の2年の ...
ajimura.blog39.fc2.com/blog-entry-720.html -

淀川流域委 活動休止、再開のめど立たず
改正河川法の趣旨に沿った形態 継続・充実こそ筋道

淀川水系流域委員会は、有識者や住民の意見を反映させる一つの形態として近畿整備局が始めた。
改正河川法で、河川整備計画策定に住民参加徹底が位置づけられ、その趣旨に沿ったものだった。

ところが、ダム建設に批判的な意見を提出する淀川委を疎ましく思ったのか、
ダム建設に固執する国交省は、意見を無視する形骸化を図るようになった。

今回も、流域委つぶしを狙ったものだろう。
しかし、改正河川法の趣旨に沿ったものだからこそ、流域委をなくすことができないできた。
ならば、形骸化を。
幾度となく、繰り返される国交省のやり方だ。

こういう時だからこそ、
より充実した委員会をつくること。
国交省は意見を尊重すること、を求めていきたい。
___________________________________

産経と朝日の新聞記事部分は省略

Kyoto Shimbun 2009年8月3日(月)
淀川水系流域委、活動を一時休止
近畿整備局「あり方見直す」
 国土交通省近畿地方整備局の諮問機関・淀川水系流域委員会は3日、国が進める河川整備事業への意見を提出し、今期の審議を終えた。次期委員会の設立時期は未定で、淀川委は一時休止される。
 この日、大阪市内であった委員会で、中村正久委員長(滋賀大教授)は「委員会を継続することと、委員の選出はこれまでの基本的な部分を崩さないこと」の2点を整備局に要望した。
 今期で第3次となる委員会は任期が8月8日で切れるため、淀川委側は次期委員会の立ち上げと中断のない活動継続を求めてきた。しかし、整備局は「さまざまな意見を聴いて淀川委のあり方を見直す」として、活動の一時休止を決めた。
 整備局は、委員や自治体、一般市民を対象に淀川委の運営や委員選考などを問うアンケートを実施するが、「まとめる時期は未定」としている。

 淀川委は昨年、淀川水系河川整備計画案の策定にあたり、大戸川ダム(大津市)など4ダム計画を「不適切」とする意見書を提出。整備局は意見書に反して、ダムを盛り込んだ整備計画を策定した。
http://ajimura.blog39.fc2.com/blog-entry-720.html



税金で高額な事業をする中央官庁の感覚と地域住民の多数が持つ感覚のずれがよく判る事例では? 
産業(事業会社)を優遇する政策から生活者を重視する政策に転換できれば、変わるのかな?


このHP(この国を考える) 左側の「最近の記事」のなかに
住民参加のまちづくり (08/10)
というのもありました

匿名 さんのコメント...

http://www.asahi.com/politics/update/0820/OSK200908200117.html
橋下知事、安威川ダム利水撤退を表明
2009年8月20日
 大阪府の橋下徹知事は20日、安威川ダム(同府茨木市)の利水事業から撤退する方針を表明した。府は年度内に水需要予測を大幅に下方修正する方針で、「需要がなければ、利水から撤退しないと府民の理解が得られない」と述べた。ただ、治水目的でダムの建設は進める。
 流域自治体との協議で表明した。安威川ダムは橋下知事が進める財政再建で、今年度に予定されていた本体着工が見送られていた。府は淀川水系で1日210万立方メートルの水源を確保しているが、実際の需要は170万立方メートルにとどまる。安威川ダムでは1万立方メートルの水源を確保する予定だった。利水撤退後のダム建設計画の見直しについては、今後、専門家に意見を聞きながら判断する。(吉浜織恵)

島崎義治 さんのコメント...

貴重なブログでのご意見ありがとうございます。

社会の通念が変わって、過去の強引な間違いが明るみになっているのに、未だ40年も前の状況を引きづらなければならないのですね。

諮問委員会の独立と自主アンケートが必要ですね。

以下の資料がありました。多様な意見があるようですが、地権者などすべての移転が終わっているようです。
http://www.kizujyo.go.jp/new_seibi/images/report071115.pdf より

昭和28年から昭和40年までは、水害対策として岩倉峡開削を議論してきたが、その後下流域(京都府、大阪府)との利害調整の結果、上流域に遊水地と川上ダムで対応できないか検討の結果(昭和42年頃)ダムと遊水地をセットとして計画が進行してきました。この間約40年の歳月を費やしいまだ完成の運びとなっていません。遊水地の地権者も、ダム建設予定地の方々も、ほぼ同意があり住みなれた土地を離れ村を挙げて移転も完了しています。遊水地の地権者も地役権設定登記も終わっています。

匿名 さんのコメント...

アサヒ・コム → マイタウン愛知
に選挙関連記事で [設楽ダム] のレポートがありました
住民(愛知県民も)とのコミュニケーション不足で計画が進んできた状況の一端が分かる?

http://mytown.asahi.com/aichi/news.php?k_id=24000000908240003

ダム言えば唇寒し?
2009年08月22日

設楽ダムの本体工事に向け、資材運搬用の県道拡幅工事が始まった=愛知県設楽町川向


【愛知14区候補者】
●公約・住民感情の間で沈黙
 「政権選択」が問われる衆院選の行方を、水没補償の交渉が始まったばかりの設楽ダムの地元・愛知県設楽町の住民が注視している。民主党が勝てば、マニフェストにうたう大型公共事業見直しの一環で、建設にブレーキがかかる可能性がある。自民党は「郡部が活気づく絶好の機会を失っていいのか」と、逆宣伝する。計画提示から36年ぶりに動き出したダムがここで止まれば、とりわけ水没予定地の住民の生活設計は再び修正を迫られる。
 国土交通省は今月4日、設楽町で県道拡幅工事を始めた。国発注の最初のダム関連工事だ。「やっと始まった」と喜ぶ近くの男性(66)は、民主党の構えについて「30年以上も悩んで苦しんだ末、新しい土地へ行こうとやっと決めたばかり。見直すなんて、今更困る」と話す。
 関連工事受注に向け、従業員を増やそうとしている建設会社社長(59)も「山村にやっと仕事が増えてきたのに、ダムを見直されたら、たまったもんじゃない」。
 一方、水没予定地の男性(76)は、「このままここで死ねるなら一番だ」と話す。ただ、ダム計画が一方的に持ち込まれ、規模の巨大化、河川法改正、環境影響調査、そして今回と、常に国の都合に振り回されてきたことに納得がいかない。「そこに住む人への配慮はないのか。政治はあまりに非情だ」と話す。
 設楽町を含む愛知14区の候補者の主張のわかりにくさが、住民を一層悩ませる。
 民主前職の鈴木克昌氏(65)は最近でこそ、取材に対して「黒白はっきり言えば票が減る」と明言を避けるが、同区内の蒲郡市長時代に渇水を経験し、ダム建設の旗振り役を務めてきた一人だった。
 自民町議(62)は「政権交代したら、鈴木氏が党と地元の板挟みになるのは明らかだ。見直しが始まれば、鈴木氏が『必要』と言っても、いらない、となるかもしれない」と批判材料にしている。
 自民前職杉田元司氏(58)の陣営は「民主は党としての本音はダム反対だ」と建設業者らにハッパをかける。ただ、本人は「遊説では鳥獣害対策など地域の目の前の課題を優先している。ダム推進や地域振興に取り組んでいることは皆さんご存じだから」。同氏周辺は「水没者の心情も考えると設楽町ではあまり声高にダム推進と言わないほうが得策という面がある」。
 実際、選挙用の連絡事務所を提供している自民町議も、水没地権者の一人。この町議は昨年、住民グループが求めたダムの賛否を問う住民投票条例案に賛成している。
 両陣営の歯切れの悪さをみて、ダム反対の住民グループは、予定していた候補者アンケートを中止した。メンバーの伊奈紘さん(64)は10月の町長選に立候補を予定している。「ヘタにダム賛成を明言させ、敵に回さない方が得策」と計算する。自身のマニフェストではダム中止後の地域づくりを訴えるつもりだ。
 混沌(こん・とん)とした情勢に水没予定地の住民は戸惑う。補償の話し合いは、国交省の担当者が春に一度家を訪ねてきただけで本格的な交渉はまだ。「役人も中央の様子見。動きにくいんだろう」と地元ではうわさが飛ぶ。国交省の工事事務所は様子見を否定するが、今後のことは「総選挙の結果次第。大臣の命令に従う」。
 水没予定地に住む伊吹正己さん(66)も気をもむ一人。1月、国が示した補償基準に対し、地元で不満も出たが、「政権交代してダムが止まったら、元も子もないぞ」といさめ、交渉妥結を急がせたほどだった。最近、いち早く町中心部で家の新築を始めたばかり。「ダム工事はいったん止めるとしても、補償までは止めないだろう」。地権者の間で広がっている見方だが、憶測には何の保証もない。


■愛知14区候補者(届け出順)
鈴木克昌65 民[比]前(2)〈国〉 〈元〉蒲郡市長
鈴木英文36 諸 新   幸福の科学職員
杉田元司58 自[比]前(1)〈公〉 〈元〉県議
(敬称略、丸数字は当選回数、四角囲み政党は推薦、[比]は比例区との重複立候補)

島崎義治 さんのコメント...

いつもありがとうございます。

静岡空港に費やした1900億円はその金額分だけ利権者に回りました。本来は1900億円が交通の利便性をもたらし、2倍にも3倍にもなって地域全体に反映されるべきと思うのですが。。。。

設楽ダムとは誰が必要としているのでしょうか。

ものをはっきり言い、きちんと議論する必要がありますね。

敵をつくらないという地方特有のしがらみを断ち切ってはっきりさせるべきではないのでしょうか。


今後もどうぞよろしくお願いいたします。