2007年6月7日

まちづくりデザインゲーム









先日、オープンキャンパスに来てくれた高校生を対象として「まちづくりデザインゲーム」を行いました。このゲームはヘンリー・サノフHENRY SANOFF氏が提唱するもので「DESIGN GAMES(日本訳;まちづくりゲーム)」として出版もされ、世田谷区などのまちづくりでも活用されているようです。昨年までは「高校キャンパスデザインゲーム」と言って、自分たちの通っている高校キャンパスを6色の型紙で表してもらっていたのですが、今年からまちづくりに向けた僕の実験も兼ねた試みとしました。
特に決められたやり方はないように思いますが、今回はまちの断片写真を分類することによって、まちのイメージを明確にし、それを実現するための具体的な形を型紙やブロックなどにより配置してまちを計画してもらいました。意外に形にこだわってくれて、楽しんでもらったように感じています。なかなか帰ってくれませんでした。
建築家の設計プロジェクトでも初期の段階ではこうしたビジュアルな方法でイメージする形を試行錯誤していて、設計事務所って結構遊んでいるようにも見えるところなんです。イメージが先行しがちな設計のデザインプロセスを客観的に振り返ることで、このようなデザインゲームに適用し、デザインの手法化(なかなかできるものではありませんが)もめざしています。
建築家は抽象的な言葉を語り、頭の中でイメージが組み立てられるものと思われる方も多いかもしれませんが、むしろプロだからこそ、ビジュアルな目に見えるイメージで検討を行うのであり、こうした具体的なイメージを多数提供することによって利用者や発注者と対話を繰り返して設計を進めてゆきます。
まちづくりデザインゲームはこうしたビジュアルなデザインプロセスを市民のレベルで広く行い、豊かで、多様なまちのイメージを表そうとするものです。 デザインって、意外に頭を柔らかくするものなんです。

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