2007年7月3日

ものづくり/本気布マジギレ

わんぱく寺子屋の子どもたちとのマップづくりで歩いたまちのそばに江戸期の民家「石原邸」があります。今度調査を行う六供町のそばでもあります。この民家を修復してカフェを開いている國枝敦子氏にお会いしました。今回は大勢の子どもたちと一緒で少しご迷惑をかけてしまいましたが、丁寧に子どもたちに古い民家のことを語ってくれました。彼女はこうして古い民家を守り、そして岡崎のさまざまな活動を見守っておられます。


そこには岡崎の古い木綿製品の再生に頑張っておられる「いなーき」さんの作品、本気布・マジギレが展示されていました。オカコミュというネット上のコミュニにティが岡崎に広がっていて、「いなーき」さんはその中(だけではありませんが)の友人です。ニックネームで呼び合っていますのでいなーきさんと書いておきます。

その彼が綿をその芽から育てているということを聞いて、興味を持った僕が、コンテナのインテリアをつくる作品で、こんどぜひ、協働してみたいとメールに書き込んだら次のように返信が帰ってきました。本当のものづくりです、彼は。

「綿の花は七月から咲き始め九月くらいまで順次咲いてゆくと思います。岡崎の繊維産業の特徴は、リサイクル繊維を作ってきたことだと思います。綿を栽培し織物にし、使命を終えた布物が再び綿に戻され糸が再生され、再び織られる、その綿の命のサイクルを作ってきたことだと誇りに思っています。 誕生と死と再生は、いつの時代でも文学や美術のテーマになってきました。綿から糸、そして衣服へ、再び綿へ戻り糸を紡ぐ。永遠に紡がれるテーマとして、コンテナを「繊維の死と再生の繭」のようなものに出来ないでしょうか? 雲のような綿。太陽の光を受けてはじけるコットンボールからあふれ出す真綿。真綿は糸をひきやがて、白波のような木綿布になり、木綿布はやがて裂けて綿になり、再び糸になり木綿布に変じてゆく永遠の循環。 その循環を支えてきたのが、岡崎の繊維産業です。」

岡崎は伝統のまち、ものづくりのまちと呼ばれますが、本当のものづくりは伝統を生かしながら、自らの知恵と情熱でさらに自ら動かそうとしている人たちのことです。


文化の遺伝子を停滞させることなく、継続してゆくことこそ、本当の伝統であり、ものづくりです。そのように僕は考えています。

こうした活動にこそ、命が揺さぶられる思いがし、次の活動が触発されてゆくのです。それが新たな伝統であり、またそれこそが、気がつけば、文化となっているのだと思います。
http://www.geocities.jp/fanabis2001/index.html本気布のサイトです。

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