2007年7月6日

ウォーキングマップ第二部

この1ヶ月ほど作成に追われていたウォーキングマップ第二部の原稿を先週末に新聞社に入稿した時に宿題になっていた部分を今朝、送信しました。第二部は写真データとイラレで作成したマップや図が中心で、データー量が大きい原稿になってしまいました。ただ、今は50MBまでを送信できるソフト「宅ファイル便」なるものがあり、3回に分けて送信し、とりあえず、原稿からは解放されました。今後は校正を行って、7月の終わり頃から掲載の予定です。12回の連載になりますが、学生たちがいろんな場面や場所や対象をプロットし、町の構造を描き出しています。
第三部はまち全体の総合的マップと考えており、まだまだ制作中ですので秋頃の掲載になりそうです。

二部はこんな素材で構成しています。僕の解説コメントからマップが始まる予定ですが、どれも変わった視点から、でもそれがリアルなものなのですが、岡崎の知られざる姿を描き出しています。

01.回遊/Loop
ウォーキングマップを手探りで始めた2年前の最初のマップです。岡崎らしさ、にぎやかさを感じる方向へ、交差点でどちらの方へ向うかを選択しながら歩いている。まちから何を感じたらいいのか、マップづくりの方向性を見つけ出してくれました。まちには惹きつけられる場所や遠ざかりたい方向があり、自らの視線の先に見えない境界線が表れてくる。この境界線をつないでゆくと中心性を持ったある領域が見えてくる。まちを巡る見えない都市回廊が隠されているようです。

02.小道/Path
手探りだったマップづくりのやり方を方向づけてくれたマップです。岡崎の周縁には大通りから住宅地に向けて、末端神経のように張り巡らされた小道のネットワークが描かれています。それらは細やかな人間の営みの集積であり、町の境界を形づくっているのです。

03.接点/Interface
様々な、生きた人と町との接点が描き出されていて、人間的な町の表情を追っていったウォーキングマップです。大通りよりも一歩入った内部に町の豊かな表情が残されていますが、これこそ、町と言えるのではないでしょうか。
しかし、今、町から人間的な表層の表情が除去され続けていると感じています。

04.丘/Hill
坂や階段と緑の斜面が次々につながり、丘という領域をつくっています。豊かな場面がつくられ、その様々な場面から見える緑は内部でつながっているようです。
丘と坂と緑が重なりあって、多面的な、人間性溢れる町が表われています。

05.交差点/Intersection
交差点とは交差している通りへと町が広がってゆく重要なポイントですが、それを視覚的に描いたマップです。岡崎の交差点は建物が角を向いて、明るさやにぎやかさを感じる場所が多く、何かが語りかけてきます。交差点とはそんな特別の場所なのですね。

06.緑/Plants   http://community-thinktank.blogspot.com/2007/06/blog-post_16.html でも紹介しています。
岡崎の市民がつくる樹木はとても逞しいです。それらが連続して小さな森となって連なり、緑のネットワークを生み出しています。それは新たな里森の姿です。

07.車止め/Stop
車と人との境界をつくる車止めを描いたマップです。それらの内側には歩行者の領域が広がり、周辺には人間的な風景が現れています。日頃は気にも留めない小さな物体、車止めを通じて、町に隠れている歩行者のための大きな公園のような空間が見えてきて驚かされました。

08.階段/Step
階段や段状の場所に注目し、丘の切断面を記録していったマップです。丘の斜面に人の生活を形づくってきた地層のようなものです。地層が連なって、岡崎の町がつくられています。

09.コンビニ/Store
コンビニはマーケッティングのもとに均一性と規則性を持った店舗であると考えていました。しかし、現実には特別に意味を持った集まりとして、広場のごとく町の中心をつくりだしていることがわかります。

10.自販機/Vending Machine
自販機も適当に必要に応じてランダムに設置されているわけではないようです。小さな道の入り口やちょっとした隙間や凹凸部分に置かれています。町に現れる襞の部分を描き出していると言えるかもしれません。

11.夜の光/Night Town
光に誘われ、光の壁面を追っていったマップです。光にあふれる場所をつないで行くと一つの共通の広がりを持った領域が現れます。アメーバーのような生きた空間の広がりを実感できるひとつの町なのです。

12.音/Soundscape
岡崎は多様な音が混在する町です。単に静かであればいいのではなく、静けさ、自然の音、人々の話し声、商店のざわめき、車の騒音など様々な場面が関わりあって、豊かな町をつくっているのです。音と場所の融合も環境をつくるのであり、そうした場面を思い描き、つなげる想像力が必要なのです。


こうした、12のまちの姿はいずれ、オカザキウォーキンマップとしても公開予定ですが、何よりまちづくりへの指針とし、まちの構想作りを行いたいと考えています。

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