2007年7月29日

まちの風景

大学での講義、住環境デザイン論は、環境やデザインにかかわるための入門的な講座です。僕たちの生活の場となっている身近な空間がうまれてくるその瞬間について語ってきました。

空間も、そしてデザインも僕たちのすぐそばにある身近な空気のような存在です。しかし、誰にも同じように見えているわけではありません。見えるものが違うから、まちづくりやデザインは人それぞれです。市民の姿もそれぞれ、見る人、組織によってまったく異なって見えています。 そうした見る目が町の風景をも変えて見せてくれるのだと考えています。

風景とはどこにもあり、身近に見えている、感じている存在です。しかし、特別の風景、町を形づくる、むしろ町によって作られる特別の風景があるのです。 前期課題レポートのテーマは、この町を見る目によって、地域を作る風景や景観を発見することを課題としました。自らの視点をはっきり持って、写真と簡単なコメントによってレポートをまとめるのです。









これは半田と蟹江の町、町の豊かさが伝わってきます。町をよくとらえてくれたいいレポートです。 東海というこの地域では、川を中心に工場や住まいや緑地が混在して、町のいい風景をつくっていることがわかります。生活に近接して、それらとなじみ一体となった昔からの工場が今も町の特別のかたちとなって現れています。ものづくりの町なんだと感じます。

そして、最高点をつけたのが、この「水色の町」を見い出したレポート。町が水色になる瞬間をとらえています。これくらい新鮮な視点を持てれば、町はよくなるはずなのですが、この視点は多くの人が失っているだろうなぁ。


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