2007年7月23日

図書館の合理化

90年代後半、バブル崩壊後民間企業のリストラが続いたように、図書館をはじめ、公共施設の合理化が進められています。

合理化は必要だろうと思います。本来のリ-ストラクチャーも当然必要です。しかし、図書館の合理化というと、積層周密書架や機械式収蔵庫など収蔵機能の密閉化、バーコードをかざすだけの貸出業務の短縮化、司書削減によるレファレンス機能の低下、大手図書販売会社への選書機能の投売り、、、、。

しかし、本来の機能(と思っていないからなのですが、)である、書物を通じた交流の場所、活動の場所の提供、市民生活の支援などの側面には、合理化が進められないのです。

民間では在庫をなくす、見えるところに陳列して倉庫を削減する。POS(Point of Sales)システムが導入され、レジ業務が商品動向の確認の手がかりとなり、また、マーケッティングを早く、広く、深くすることで業務の拡大につながります。それは利益を上げるための、仕事を増やすための、そのための合理化であり、新たな役割を果たせない設備や人材はリストラされてゆきます。

業務の志向が180°間違っているような気がします。どこに力を注ぎ、どこを削減し、いかに考えるか。

まずは図書館長となる有能なリーダーによる図書館のリストラが必要です。あるいは、有能な人材がなければ、組織化されたサポートシステムによって、たとえば市民や有識者の持っているネットワークによって、マネージメント、プロデュースを支援し、代行する、館長機能の法人化が必要かもしれません。

マネージャーやプロデューサーたる有能な館長のその人材は限られているでしょう。誰でもできるわけではありません。

しかし、有能な司書は星の数ほどいるのではないでしょうか、出番を待っているのです。また、それを渇望する市民も、また、それを支援する図書館ボランティアも星の数ほどいます。

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