2007年7月25日

六供町街並み調査










岡崎市六供町は小さな路地が迷路のようになって集まってできている、とてもすばらしい感動的な街です。
六供町は「ろっくちょう」と読み、仏教の教えにその名前に由来があるとお聞きしたことがあります。その細かな路地とお寺とが密接に関係しあって、作られてきた町です。戦前にはもっと多くのこうした町が残っていたはずで、京都よりも寺の多い町、岡崎が身近な歴史を元に築かれてきた町であることがよくわかります。

岡崎の町にはウォーキングマップによって丘の周辺に多数の小道があり、それらが末端神経のように町の境界を現していることはわかっていたのですが、こんなに完全な形でまちを形成しているとは驚きです。イタリアの小さな町、アルベロベッロやロコロトンド、マルティナフランカなど、同じような迷路のような街を訪れたときと同じ感動です。今度の調査のリーダー役の一人後藤君も鳥肌が立ったというくらいです。
この六供町の街並み調査がスタートしました。来年2月までの活動となります。

日本では建築基準法によって道路の幅員は4mと決まられていて、多くのまちではこのような2m程度の路地は消し去られる運命にあります。しかし、道路を4mと規定し、否応なく拡張してゆくことはコミュニティの破壊につながるものと考えています。

防災、救急、ごみ収集などの点から道路の拡幅は必要とも言われています。しかし、上記のロコロトンドでは小さな幅のごみ収集車が細い路地を行き来していました。高層ビルが町にできると新しい消防車を導入するわけですから、町に適した消防車や救急車、防災に対する対策をとればいいのではないかと思います。

六供町の街並みのすばらしさを伝え、新たな保全の姿を描こうと考えています。
濃密なコミュニティの形を持ったこの街の姿を生き生きと描けたとき、その次の活動が始まるのだと思っています。

A。概要
迷路のような路地に囲まれたコミュニティのデザインや意味を明らかにする。六供町の住まいのすばらしさを写真と図面に現し、市民に公開する。豊かな町の保全を訴えると同時に再生をめざした提案を行う。

B。作業工程
0)事前調査 全体地図を片手に六供町全体を歩き回り、その面白さを各個人が体験する。:8月
1)フィールドワーク:みちを中心にその周辺のさまざまな生活の形や住まいの痕跡を調査し、記録と写真に表す。:9月から10月 
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ班が3つの地域A,B,Cに別れて活動する。A→B→Cと順次回ることですべての領域を担当する。 1回の調査後は3班が集まり、情報交換して、全体を網羅できるようにする。 班に分けるが、分担性を超えて、積極的にかかわること。
2)記録を図面化する。(イラストレーションのように生き生きと表す。):11月
3)図面をもとに歴史家の市橋さん、地元住民とのワークッショプを行う。:12月 
町の姿にから、その住まいの持っている意味を検討する。 
歴史や実際の生活のなかから、コミュニティの意味を発見する。 
町のコミュニティがどのように出来上がっているか、どのようにつながっているかを考察する。 
地元の民家を活用した石原邸でのミーティングを企画する。地元住民との意見交換。
4)民家再生案を制作する。:1月 
民家や路地を再生し、地元の伝統産業を広報するブティックやギャラリーを計画する。
5)研究発表ならびにギャラリーでのパネル展示。:2月

1 件のコメント:

島崎義治 さんのコメント...

友人のkinuさんよりコメントをいただきました。いいアドバイスをいただきました。六供町の説明を少し加えました。


前回見せてもらった時よりLISTが随分増えてますね
六供町はなんと読むんですか
地名には読み仮名をつけてもらえると有り難いです
いい感じの町ですね

図書館の話も面白いです
公立小学校の図書館(室)のコーディネートも島崎君みたいな人が関わると
教育現場もうんとよくなると思うのだけどな
六供町を歩くときに学校の図書室にもよってみたら面白いかもね