2007年7月14日

ポストイットによる管理

現代ではICチップなどにより、商品などに多くの情報を埋め込むことができ、瞬時に追跡することが可能になっています。物流として正確さや迅速性が必要とされる場合には有効でしょう。また、書籍の管理においてもICチップを埋め込むことによって、瞬時に情報を管理でき、書籍管理がスムーズ行われ、またそのチェックも可能になるとされています。

しかし、相手がモノではなく、思考を伴っている場合にはその対応を考えねばなりません。管理という側面には、管理する側の重要な理念が現れてきます。

阪神淡路大震災時がボランティ活動に対する認識を大きく変えたと言われます。日本におけるNPOの活動の可能性が現実のものとなった契機とされています。その活動と実際に向かい合った状況が田中弥生氏の「行政の下請けに未来はない・NPOが自立する日」に次のように描かれています。

「一日に400人、多い時には700人をさばくため、また、現場のニーズも刻々変わってゆく中で、 事前登録制のようなやり方では対処できないので、管理しないでボランティをコーディネートしようと考えられ、
1.ボランティア希望者は受付時に大判のポストイットが渡され、名前、住所、参加回数、得意技術をそれに記する。
2.そのポストイットをボランティア待機者パネルに貼り、仕事パネルを待つ。
3.一方、事務局は当日必要とされる仕事を仕事パネルに記する。
4.仕事パネルには仕事の場所、種類、ボランティアの人数(男女別)が記されている。
5.ボランティアは待機パネルに貼った自分のポストイットをとり、仕事のパネルの自分の希望する仕事があればその場所にポストイットを貼る。
6.仕事パネルには定員が記されているが、貼ってあるポストイットの数によって必要数に達していることがわかる。
7.ボランティアの仕事を終えて帰ってくると、ポストイットを仕事パネルから剥がし、受付に戻る。

このようにして、一件の事故を起こさずに大勢のボランティアを同時に一挙にさばくことができたようです。 」

このICチップにも負けないポストイットには自らの意思を持ったボランティア活動をその意識を低下させず、 柔軟性、即応性を伴った本当の意味での管理という理念が表されているようです。

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