2007年7月7日

社会的視点

4年生の卒業制作がいよいよスタートします。
題目提出が締め切り間近になった卒業制作の課題内容をゼミで討論しました。なかでも1ヶ月前に二世代住居の設計を行うと宣言した森さんのアイデアがうまく展開できていました。ある家族の住居はそれぞれの家族にフィットした特別の住居を設計すればいいので、卒業のための研究制作になるかどうか心配していたのですが、彼女の提案は多くの二世代の家族のためにまちに、協働で作業を行い、また語り合うコレクティブハウスのような共有の拠点をつくることへ方向づけられており、 個人の視点が社会的視点へと大きく成長したと感じました。コレクティブハウスとは北欧で発展してきた協働運営型の集合住居ですが、社会の問題を意識できた作品になることでしょう。

それは福祉や医療や高齢化、少子化や養育や教育、エネルギーや情報化、生態系や緑地など、多くの課題にかかわってきます。 それらを社会的視点でとらえる必要があります。

もはや個人がそのマネージメントを行うだけではなく、社会が、コミュニティがそのマネージメントを行わなければならない時期に来ました。そうしたマネージメントのための拠点がまちに必要になるのであり、言い換えれば、それがこれからのコミュニティになるのだと考えます。

市民活動も市民交流館や文化センターなどような貸館、貸会議室があれば運営していける時代は終わって、次のステップへ進まなければならないのではないでしょうか。それはマネージメントされる旧態然とした活動の形であり、いまや、自ら社会のなかへ出て、マネージメントする立場にたつことが要求されるはずです。そこにこそ市民活動を社会的視点でとらえる拠点が必要になるのではないかと思うのです。


活動のための拠点、マネージメントやネットワークの拠点となるような、協働のためのコレクティブハウスが必要になるのです。

授業でいつも紹介していた「コレクティブハウス かんかん森」http://www.chc.or.jp/project/kankanmori/は住民の皆さんが中心になって組織化を進められていました。いたるところで、社会化、協働化の波は大きくなってきたようです。個人の視点から社会の視点へ自らの目を広げる時代なのです。

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